掲載日:2014年09月22日 フォトTOPICS
取材・文/佐川 健太郎 写真/山家 健一 取材協力/ピアッジオグループジャパン
量産スクーターとしては世界最大級のエンジンを搭載するSRV850に、今回新たにABSとトラクションコントロールシステムが追加された。
アプリリアからスーパースクーター『SRV 850 ABS-ATC』が発売されました。スクーターのイメージを覆すパワーと高い走行性能が魅力の『SRV850』に、ABSとトラクションコントロールが追加されてより高い安全性とスポーツ性能を実現しているのが特徴です。
スクーターとしては世界最大級の排気量(839cc)を有するSRV850のエンジンは、水冷4ストローク90度V型2気筒 SOHC 4バルブで、最高出力76HPを発揮します。特筆すべきは爆発的なパワーだけではありません。駆動方式には一般的なモーターサイクル同様のチェーンドライブを採用。シャーシも従来スクーター比で約2倍の安定性を確保した高剛性スチールダブルクレードルフレームにアルミ鋳造スイングアームを組み合わせるなど、スポーツモデルに引けを取らない車体構成に仕上がっています。足回りもフロントブレーキにブレンボ製ダブルディスク、リアサスペンションに7段階プリロード調整機構を備えた油圧式モノショックを装備するなど、パワフルな走りに対応する本格的な作りになっています。また、フロントフェイスにはスーパーバイクRSV4シリーズと共通イメージのデザインを採用するなど、アプリリアのスポーツマインドを体現したモデルとなっています。
そしてこの2015年モデルでは、先進的な安全技術を採用した2チャンネルABSとトラクションコントロールが追加装備されました。ATC(アプリリア・トラクション・コントロール・システム)は、ABSセンサーを利用してリアのホイールスピンを検出し、強大なトルクを制御する仕組みで、ハンドルバーにあるスイッチによって「スタンダード」、「スポーツ」、そして「OFF」までモード切り替えが可能です。
今回はサーキットで試乗をする機会を得ましたが、持ち前のパワーとスポーティな乗り味は健在で、さらにABSとトラクションコントロールが装備されたことでより安全に、アグレッシブな走りを楽しむことができるようになりました。まさにスポーツするためのスーパースクーターです。進化したSRV850ABS-ATCの日本での受注開始は9月9日から。車両本体価格は128万6,000円(消費税8%込み)となっています。
01ジェット戦闘機を思わせるアグレッシブなデザイン。強大なパワーもさることながら、ホイールベース1,585mm、車両重量276kgと、車格もスーパーだ。
02スイングアームはピボットの先でツインスパーフレームにつながっているように見えるが、実はダミー外装。フルカバーの中にはエンジンを取り囲むようにスチール製チューブフレームが張り巡らされている。
03前から見ると高速列車のような雰囲気もある。左右サイドの刃物で切り落としたような平行ラインが特徴的だ。
04タイヤサイズはそれぞれフロント120/70-16、リア160/60-15でスクーターとしては大径。リアビューも迫力十分だ。
053灯ヘッドライトが印象的なRSV4譲りのスポーティなフロントマスク。ウインカービルトインタイプのバックミラー、スモークスクリーンがスポーティなイメージを強調する。
06フルカバードタイプで外からは見えないが、水冷4ストローク90度V型2気筒 SOHC 4バルブ、839ccエンジンを搭載。シリンダーあたり2つのスパークプラグと4つのバルブを装備。環境性能と高効率を追求しつつ、スクーター最強クラスの76HPの高出力を実現。
07車体左サイドに縦2本出しのサイレンサーを装備。放熱用にスリット入りのヒートガードが精悍な雰囲気を醸し出している。排気音もなかなかの迫力だ。
08フロントブレーキはφ300mmフローティングディスク&ブレンボ製2ピストンキャリパーをダブルで装着。サスペンションもφ41mm正立フォークを採用するなど、スポーツモデル並みの足回りを持つ。
09リアブレーキとしては大径のφ280mmフローティングディスク&2ピストンキャリパーを装備。シングルディスクながら強力な制動力を発揮。進化した2チャンネルABSシステムにより、安全性もさらにレベルアップされた。
10変速方式はスクーターでは一般的なCVT(自動無段変速)だが、駆動方式は一般的なユニットスイングではなく、通常のバイクと同様のアルミスイングアームとチェーンドライブの組み合わせとなっている。つまり、車体構造はモーターサイクルに近い。
11シートはエッジの効いたデザインで、カーボン柄の座面や赤色のステッチがスポーツマインドを刺激する。シートストッパー形状のバックレストが加速時のホールド感を高めてくれる。タンデムに対応したグラブバーもしっかりした作りだ。
12シート下にはフルフェイスヘルメットが1個収納可能で、ルームライトや電源ソケットも装備。左後方にはスクリュー蓋式の給油口が見える。シートの開閉は電子ロック式で、スムーズな開閉を助けるダンパーを装備。
13縦長LEDランプを中心に、コンパクトに絞り込まれたデザインのテール回り。クリアレンズタイプのウインカーは、リアフェンダーにマウントされるオーソドックスな作り。テールランプ左右のダクトはダミー。
14新たに導入されたATC(アプリリア・トラクション・コントロールシステム)は、ABSセンサーにより後輪のホイールスピンを検出し、最適なパフォーマンスを発揮できるようトルクを制御する仕組み。ハンドルバーに配されたスイッチによって「スタンダード」「スポーツ」「OFF」の3モードに切り替え可能。
15スイッチボックス前側にはメーター液晶画面のモード切り換え用スイッチを装備。左右のブレーキレバーには位置調整用のダイヤルを装備する。
16アナログ表示のスピードメーターとタコメーターがレイアウトされた2連メーターに挟まれた中央の液晶ディスプレイには、水温、時計、オド、トリップなどを表示。その下にはATCの「SPORT」モードをランプで表示する。
17今回はサーキットでSRV850のポテンシャルを存分に堪能することができた。スクーターらしからぬ加速性能と高速コーナーでの安定した走りが印象的で、腕があればスポーツモデルを追い回すこともできるほど。
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