掲載日:2012年07月13日 フォトTOPICS
取材・写真・文/小林 ゆき 取材協力/マン島TTレース公式サイト
“マン島版テイスト” のドーバーといった風情のホンダCB750F vs スズキGSX-R750。ジスペケの方は1985年のヨシムラ・トルネードF1ではないでしょうか。
マン島 TT レースは約2週間の長丁場ですが、TT レースだけでなく期間中、前座レースの『プレ TT クラシック』と、後座レースの『ポスト TT 』も開催されています。このふたつのレースは TT レースのマウンテンコースではなく、島の南側にあるキャッスルタウンという街の近くの『ビロウンサーキット』という 4.25 マイル(6.8km)の公道コースで行なわれます。ここでは他に、アイルランド公道レース選手権にも位置付けられている7月の『サザン100(ハンドレッド)』も行なわれており、年に3回、道路閉鎖をしてのレースがあります。
プレ TT クラシックを走ることができるモデルは、1945年以降の生産で、2ストロークマシンは1967年まで、4ストロークマシンは1972年までの “クラシッククラス” と、1985年までに生産された4ストロークマシン、1991年までに生産された2ストロークマシンの “ポストクラシッククラス” などがあり、マン島島内をはじめ、イギリスやアイルランド、ヨーロッパ大陸から、クラシックバイク好きが集まります。
ポスト TT は、2ストローク 125cc エンジン、4気筒4ストローク 400cc エンジン、単気筒4ストローク 400cc エンジン、2ストローク 250cc エンジン、2気筒4ストローク 650cc エンジン、3気筒4ストローク 675cc エンジン、4気筒4ストローク 600cc エンジンなどが出場できるレースで、マン島 TT レースやアイルランド公道レース選手権に出るための、入門的なレースイベントとなっています。
今回はプレ TT クラシックのパドックやエントラント、レースの雰囲気を写真でたっぷりとご紹介していきましょう。
01スタート&フィニッシュエリアの近くにはこんな立派なクラブハウスがあるんです。レースの日はハンバーガーなど軽食を売っています。
02パドックは牧場を借りて設営されています。皆思い思いにキャンプなどしながらレースを楽しんでいます。こちらのサイドカーはウィンドルフレームの930トライアンフ。ベルギーからの遠征です。
03クラシックのレースだけあって、観客もまたクラシックな方々。ビカビカのBSAでやってきたのはデンマークから来たライダーさんたち。
04置いてあるだけでも風情を醸し出すマンクスノートン。ノートンがその昔、マン島TTレースに勝つために作ったモデルです。このオーナーの方は350と500の2台をイギリス本土から持ち込んでのエントリー。
05何気なくカウルとフロントホイールを外しているだけなのに、どうしてこんなに絵になるんだろう…。344ccのアエルマッキです。
06左は350AJS、中央は350Drixton Honda、右は500マチレスG50。ゼッケン5番はビロウンサーキットで強さを見せる、地元キャッスルタウンのクリス・パーマー選手が駆ります。
07747 Rob North BSA。3気筒のロケット3です。イギリスやアイルランドでは、マシン名にコンストラクターの名前を付けることが一般的で、このマシンはロブ・ノースさんがチューニングしたマシンということがわかります。
08左の350ホンダはK4、右の850ホンダはアップタイプマフラーのカフェレーサースタイルがベースになっているマシンです。
09こちらも初期型GSX-R750。グリーンに映えるオレンジ&ブラックのカラーリングがイイ感じです。
10日本では滅多にお目にかかることができないスポンドンフレームのヤマハ500。その向こうはTABフレームのK4のホンダCB350。フレームマニアすなぁ。
11お嬢ちゃんが華を添える、後方排気のヤマハTZR250。“パリン!パリン!” て言っててもお嬢ちゃんはぜんぜん平気そう。
12“もみあげイスト” の後継者としてロン・ハスラムを継ぐ(!?) ガイ・マーティン選手。今や押すに押されぬTTの大スターが、こんな風にして前座レースを楽しんでいる姿も見られます。
13ゼッケン21番はシーリーフレームのG50。ゼッケン7もマチレスG50。ノートンマンクスの対抗馬として誕生したG50は、1959年発売から50年以上経てなお輝きを保っています。
14こちらもマチレスG50。真剣なまなざしでコースを見つめるのはクリス・パーマー選手です。ビロウンでは7勝もしているトップ・エントラントです。
15こちらも初期型GSX-R750。この年代のノーマルのスズキカラーのレプリカを見ると、“鈴菌” じゃなくても胸がときめいちゃう…なんてこと、ありますよねぇ。
16右2本出しチャンバーの1990年式RG-V250ガンマ。いや懐かしい~! レーサーレプリカ全盛期のモデルですが、日本ではとんと見かけなくなりましたね。
17ヤマハの市販レーサー、1979年式TZ350なんですが、フロントカウルをこんな風にチームカラーにすると新鮮な感じがいたします。
18コーホーハイキ! 後方排気の1989年式ヤマハTZR250でございます。レプリカ世代なら垂涎もののモデル。そう言えばこのときのレース、ホンダNSRが1台もいなかったのが意外でした。
192ストロークの “パリン、パリン” という音と、4ストロークの “フォン、フォン”、それに4ストローク・ツインの “ドルン、ドルン” に、4ストローク3気筒の “ビュルル、ビュルル” という音が混じって、たいへん賑やかなピットエリアです。
20ピットエリアが2スト・オイルで白く煙る…なんて光景も、日本ではほとんど見なくなりました。そして、辺りに漂うカストロールの甘い残り香。
21スタート地点から100メートルほど進んだあたりにピットアウトレーンがあるのですが、観客の皆さんは思い思いにレースを楽しんでいます。
222ストローク250ccから4ストローク4気筒の750ccスーパーバイク、4ストローク・ツインの1200ccまで、まさに異種格闘技と化すスーパーバイクレース。
23コース際はこんな感じで、ネットと柵で仕切られています。コース右側は牧場、左側は住宅街になっています。
24街の看板や速度規制(時速50マイル=時速80キロ)の看板はそのままで、街路案内図はこのレースのために外され、無造作に立ち入り禁止エリアに放置されていたりします。
25サイドカークラシックレースはこんな風に、ライディングスタイルも時代に合わせたスタイルに。これで軽く200km/h近くは出ているのではないかと思います。マシンは980BMW。
26表彰台はトレーラーを改造したもので、移動式になっています。スーパーバイクレースを制したのはGSX-R750、2位はトライアンフ750トライデント、3位はホンダCB900。
27シングルレースで優勝したのは、プレTTクラシック最多の15勝目を上げたビル・スワロー選手。元高校教師で68歳になるそう。マシンは350のアエルマッキ。
28レース翌日に街の中心部で行なわれる表彰式とコンクール・ド・エレガンス。1970年代前半にTTや耐久レースで活躍したトライアンフの3気筒マシン “スリパリーサム” のレプリカも参加していました。
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