最新モデル試乗速報 アプリリア RSV4ファクトリー

掲載日:2010年09月21日 フォトTOPICS    

取材・文・ケニー佐川&バイクブロス×マガジンズ編集部  撮影/ バイクブロス×マガジンズ編集部 ナベ  取材協力/ピアッジオグループジャパン

個性的なフロントマスクを演出する3灯タイプのヘッドライトは両サイドがロービーム、センターがハイビーム。回転数によって出力特性をコントロールする電子可変式インテークダクトを装備。

WSBで勝ちまくりのRSV4ファクトリー
ストリートでの実力はいかに…

アプリリア初の4気筒マシン、RSV4。昨年デビューとともにスーパーバイク世界選手権に返り咲き、今年度は元世界チャンプ、マックス・ビアッジのライドによって破竹の進撃を続けているワークスマシンのホモロゲモデルがコレ,最上級版のファクトリーである。

アプリリアというと従来のRSV1000Rやトゥオーノに代表されるように、Vツインエンジンを搭載したモデルの印象が強いが、今回は世界最高峰のレースで再び勝つためにV4エンジンを開発したという。V4はホンダやドゥカティのモトGPマシンが採用していることからも分かるように軽量コンパクトかつ横幅をVツイン並みにスリム化でき、さらにエンジンの回転によって発生する振動を軽減できるなど、レーシングマシンとして優れた資質を持つレイアウトといえる。加えてRSV4は最先端のエレクトロニクスで武装している点にも注目したい。スロットルシステムにはついに「ライド・バイ・ワイヤ」方式を採用。ライダーが行うスロットル操作とスロットルバルブの動きは従来の機械的なワイヤーではなく電子制御によってコントロールされるまでになった。さらに、ミリ単位で車体各部のディメンションを調整できる機能やカセット式ミッション、ブレンボ製モノブロック、オーリンズ製フルアジャスタブル前後サスを装備するなど、まさにファクトリーという名に恥じないリアルレーシングレプリカである。アプリリアが誇る“READY FOR THE TRACK”の実力を今回はストリートでも味わえるものなのか検証してみたい。

今週公開の試乗インプレッションに先立ち、今回はRSV4ファクトリーのディティールをフォトトピックスでお届けしよう。

フォトTOPICS(写真点数/11枚)

01大型で被視認性に優れるテールランプユニット。ウインカーにはクリアレンズを採用。グラブバーは重厚な金属製で表面にはへアライン加工が施される。 フロントフェンダー、サイドカバー、リヤフェンダーは強度と軽量さを兼ね備えたドライカーボン製。高級感溢れるファクトリーだけの特別装備だ。

02フレームに見えるのは外装パーツの一部。車体は強固なアンダーボーンフレームによって構成される。中央に見えるリアサスペンションは複雑なリンク式だ。 戦闘機のウイングを思わせるエッジの効いたテールカウル。同梱パーツのクッションを装着すれば一応タンデムもできるようにはなっている。

03比較的シンプルなメーターユニット。キャッチーな機能を盛り込んでいないのは、スクーターの本質である「走り」に対する自信の表れか。 水冷4スト65度V型4気筒エンジンは、アプリリア伝統の狭角とすることでコンパクトさとVツイン並みのスリムさを実現。カセット式トランスミッションを採用するなど即レース対応。

04給油口は高級感溢れるエアプレーンタイプ。リアサスペンション機構に追いやられた燃料タンクがこの位置にあるため、足元の自由度は少ない。 デザインが特徴的なエキゾーストシステムは排気口が2本に分かれた多段膨張式タイプ。リードバルブ&バタフライバルブによってクリーン排気と最適なパワーデリバリーを実現。

05シート下トランクは深さを優先した設計。ヘルメット1個を収納すると余裕はあまりなさそうだ。形状自体はシンプルで使い勝手も悪くない。 ディメンションを変えられるのがファクトリーの特徴。ライディングスタイルやセッティングの好みによって、エンジンマウント位置、スイングアームピボット、キャスター角、リヤ車高などが調整できる。

06格納式のタンデムステップ。アルミ合金製でしっかりとしており、後席のライダーにとっては有り難い装備だと言えよう。グリップも悪くないが質感はいまひとつか。 モトGPマシンを思わせるスイングアームは、メインフレームと同じ高剛性アルミ複合構造を採用。プレス材と鋳造材の組み合わせにより「ねじれ」や「たわみ」に対する剛性バランスを最適化している。

07リンク式のサスペンションによって懸架されるエンジンおよび駆動系。バネ下がドタバタ動くのはスクーターの宿命だが、G-MAX220はロードホールディングに優れる。 レーシングスペックを発揮するブレンボ製モノブロックラジアルマウントキャリパーを装備。フロントフォークもオーリンズのフルアジャスタブルタイプを採用するなど世界の一流品で身を固める。

08アンダーカウルのなかに見えるのは大容量のオイルクーラー。これにより渋滞に巻き込まれても油温は安定。年々暑くなる日本の夏にも余裕をもって対応する。 ピギーバック装備のオーリンズ製リアショックは車高調整機能も付いたフルアジァスタブルタイプだ。同じくオーリンズ製ステアリングダンパーも装備し高速域でのハンドリングを安定に貢献している。

09カーボン調の樹脂パーツでカバーされたマフラー。消音は効いているが比較的乾いた排気音を奏で、やはりスポーティなモデルであることを主張してくる。 シチュエーションや好みによってエンジン特性を変えられるマルチマップ機能を搭載。エンジン始動中はセルボタンがTRACK、SPORT、ROADの3種類のモードを切り変えるスイッチとなる。

10PGOらしい真紅のキャリパーと大径ウェーブディスクをフロントに装備。スクーターとしてはフォークの剛性も異例に高い。スポーティな走りを支える要だ。 見やすくシンプルなアナログ式タコメーターと多機能表示のデジダル式スピードメーターの組み合わせ。フラッシュライトの点滅でシフトタイミングを知らせてくれるシフトインジケーターも便利。

11強固なアルミ製スイングアームにマウントされたリアブレーキシステム。ディスクの径からもPGOがリアブレーキを重視していることは明白だ。好ましい設定と言える。 ヘッドパイプ部分は偏心アジャスターによってキャスター角を変化させられる構造。WSBを闘うワークスマシンさながらのハイスペックがファクトリーの魅力である。

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