掲載日:2018年02月08日 試乗インプレ・レビュー
取材協力/本田技研工業 写真/ホンダ 取材・文/青木タカオ
グランドツアラーとしての高い快適性を確保したうえで、風を感じながらマニュアルミッションでライディングを楽しむモーターサイクルらしさが「ゴールドウイング」にはある。
高回転まで引っ張り上げたときの加速は強烈そのもの。ライディングモードを「スポーツ」に設定したときのスロットルレスポンスは過激なほどクイックで、この巨体を自在に加減速できるパワーはさすが排気量1,833ccと舌を巻くばかりだ。
エンジン特性だけでなくトルクコントロールやブレーキ特性も複合的(ゴールドウイング ツアーの場合はサスの減衰特性も)に絡んでくるライディングモードはロングライドを快適なものにしてくれ、「ツアー」や「エコノ」はツーリング時に最適。低い回転域から早めにシフトアップし、大排気量エンジンならではのトルクと鼓動感を味わい尽くすのがいい。
スロットルレスポンスは「ツアー」のときは開度にリニアで、「エコノ」や「レイン」だと穏やかになる。これは悪く言えば“だるい”のだが、後からジワーッとトルクが出てくる「これぞ大排気量クルーザー!」といったテイスティな味付けになっている。
2日間で700kmに及ぶテストライドに同行してくれた開発責任者・中西豊さん(本田技術研究所二輪R&Dセンター主任研究員)に「いつまでも走っていたくなる、いいエンジンフィーリングです」と伝えると、ニンマリ頷き「エコノ」のパワーフィールには大いにこだわったことを教えていただいた。
ここで報告しておかなければならないのが、Apple CarPlayをオートバイとして初採用したことだ。iPhoneをライトニングケーブルで接続すれば、ゴールドウイングのメーター画面にiPhone内の対応アプリ(電話、ミュージック、マップ、メッセージ、PodCast、オーディオブック、Amazon Music、Spotifyなど)が表示され、バイクのハンドルやコンソールにあるスイッチで自在に操作できてしまう。
ゴールドウイング自体にもナビやオーディオは搭載されているが、自分のiPhoneがインフォテインメントシステム内でそのまま使えれば、より便利なのは説明するまでもないだろう。ヘッドセットをBluetooth接続すれば音声認識もでき、「近くのガソリンスタンドへ」などとナビアプリを素早く起動させたり、電話を受けたり発信することも可能。バイクもついにここまで来たかと驚いてしまう。
SFアニメに登場しそうなスタイルといい、新しいモノ好きにはたまらないはず。間違いなくエポックメイキングな1台だ。
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