
掲載日:2017年09月21日 試乗インプレ・レビュー
取材・文/佐川健太郎 写真・動画/山家健一 衣装協力/HYOD
空冷縦置き90度VツインOHV2バルブ、排気量744ccは従来どおりだがヘッドまわりをV9ベースとし、動弁系やピストンなども改良され全域でパワーアップしている。6速ミッションは1速と6速のギアレシオの見直し俊敏な加速と快適な高速巡行を実現。エキゾーストパイプも二重構造で迫力ある太さになっている。
左右2本出しマフラーは従来のクロームメッキから艶消しブラックに刷新。2次エア導入装置や新型キャタライザーなどを採用しつつ、ユーロ4に対応。
車体右側にはスイングアームを兼ねたドライブシャフトを配置。先代のV7Ⅱでドライブシャフト取り付け位置を変更し、アンチスクワット効果を最適化することで加減速時のリアタイヤの接地感を高めている。
シフト機構の改良によりシフトチェンジ操作がよりスムーズになった。専用のアルミ製可倒式レーシングステップを採用。削り出しのバー部分にはローレットが刻まれ、ペダルペグ部分を可変式とするなど、ハイエンドモデルらしい高級感のある作りは従来どおり。
リフレクター式ヘッドライト上に装備されたクラシックレーサー風ゼッケンプレートは従来の樹脂製からアルミ製となりバイザーは省略。ウインカー形状も円形からより被視認性の高いタイプに変更されている。
先代で従来の樹脂製からクロームメッキが施されたスチール製へと変更されたフューエルタンクは、最新型ではブラシ仕上げのクロームメッキに刷新されより落ち着いた雰囲気に。フューエルキャップもアルミ製のより密閉性の高いタイプに変更されている。タンク容量は従来の22リットルから21リットルへ若干縮小。
ブレンボ製の異径4ポットキャリパーとフローティングタイプのφ320mmシングルディスクに2チャンネルABSを装備するのは従来どおり。クラシカルなワイヤースポークホイールのリム部はアルミ製とするなど軽量化されている。フロント18インチの穏やかなハンドリングが魅力だ。
リザーバータンク付きのリアショックはプリロードと伸び側/圧側ダンパー調整機構を備えたフルアジァスタブルタイプのオーリンズ製を採用。ちなみに従来はピチューボ製だった。タンデム用のリアステップが標準装備されているのがV7Ⅲの証だ。
右手元のモードボタンでMGTC(モトグッツィトラクションコントロール)のレベルを2段階に調整できる。グリップ周辺のデザインや機能は従来どおりだ。
スエード調の素材を天面にあしらった従来型シートに対し、新型では斜めの格子柄のステッチが入ったスポーティなイメージに変更。シングルシート風だがカバー裏側のボルト4本を取り外すだけで簡単にタンデム仕様に変身できる。
サブフレームに至るまで初代V7以来のレッドフレームで統一されている。シート下には純正車載工具を収納。シートの脱着はメインキーで簡単にできる。
ブラックパネルの2連メーターは文字盤のデザインを変更し、新たにインジケータ類もメーターの中にレイアウトされた。オド、トリップ、時計、気温などを表示する多機能ディスプレイを装備する。ステアリングトップブリッジガードとその上に刻まれたシリアルナンバーが目を引く。
価格(消費税込み) = 139万8,000円
※表示価格は2017年9月現在
伝統の縦置きVツインエンジンを搭載したスポーツヘリテイジ。2017年モデルではエンジンとフレーム、足まわりのすべてを刷新し、走りのポテンシャルがさらに高められている。
■エンジン型式 = 空冷4ストローク 90°V型2気筒 OHV 2バルブ
■総排気量 = 744cc
■ボア×ストローク = 80.0×74.0mm
■最高出力 = 38kW(52ps)/6,200rpm
■最大トルク = 60N・m/4,900rpm
■トランスミッション = 6速リターン
■全長×全幅×全高 = 2,185×740×1,110mm
■車両重量 = 213kg
■シート高 = 770mm
■ホイールベース = 1,463mm
■タンク容量 = 21リットル
■Fタイヤサイズ = 100/90-18
■Rタイヤサイズ = 130/80-17
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