カワサキ Z900RS

Z900RS
KAWASAKI

カワサキZ900RS 試乗インプレッション

掲載日:2017年12月26日 試乗インプレ・レビュー    

Text / Takeshi Goto  Photo / Takao Isobe

2017年東京モーターショーでカワサキが発表したZ900RS。その素性がいったいどんなものなのか、長年Z1を所有するジャーナリスト、後藤 武氏が新世代のZを走らせる。

試乗ライダー プロフィール
後藤 武
元Clubman編集長で現在は二輪各誌に連載を持つジャーナリスト。日本にスーパーモタードを紹介した張本人でもある。また、長年に渡ってヤマハRZやカワサキマッハなど2ストロークマシンを所有し、チューニングを重ねながらレースに参戦する2ストフリークでもある。RZ、マッハのほか、カワサキZ1も20年以上所有するなど、国産旧車に対する造詣も深い。

長年Z1を愛機とするジャーナリスト
後藤 武が新型Z900RSをぶった斬る

カワサキからZ900RSがデビューした。Z1に乗るオレとしてはとても気になる。カワサキからZをここまで強くオマージュしたマシンは今までなかったからだ。古いZはこのさい関係ないだろ、っていう意見も聞こえてきそうだがそうではない。Z900RSのことを色々と説明する前に、なんでZがここまで人気になっているのかを考えるべきなのだ。

カワサキ Z900RSの試乗インプレッション

オレがZ1に乗っているのは古いからとか、スタイルがいいからというわけではない(多少はある)。走った時に一番楽しいからだ。エンジンの力量感とか実用速度域の運動性の素晴らしさ。キチンと整備されたZはまるでライダーの手足になったかのように自由自在に動く。スパッとバンクさせて立ち上がりでドロロロロと加速していく感動。あれを知ったらいまどきのネイキッドに乗り換えようとは思わない。

かのBITO R&Dの美藤社長はよく「カワサキの技術者もZ1に乗るべきなんですよ」と言う。本当にその通りなのである。社内にZ1を置いて自由に乗れるようにするべきだろう。そしてZ1を超えているか、じっくりと考えるべきなのだ。

カワサキ Z900RSの試乗インプレッション

ちなみにW650とW800は、とても売れたけれどそういうことはしていなかった。形と名前だけWに似せたのである。今回のZ900RSもそんな感じなのかと思った。実際、オレの周囲のバイク乗り達はそういう考えのやつが多かった。「輸出仕様のZ900の外装変えただけでしょう? 走っても今までのZ900と一緒だから期待できないって」

それを聞いてやっぱりそうだよなあ、なんて思っていた。そして試乗してその通りだったらケチョンケチョンに書いてやろうと思っていたのである。今回の試乗に行く時も原稿の依頼をされた媒体には事前にそう伝えている。なんでって、そうじゃなかったらZ1に乗るゴトーがレポートする意味がないからだ。

カワサキ Z900RSの試乗インプレッション

そしてついに訪れた試乗会。初めて乗ることになったZ900RSは佇まいが良かった。各部を細かく見ていっても安っぽいところがない。初代Zのイメージをもたせながらも完全に新しいデザインになっている。

けれど驚いたのはエンジンを始動した瞬間。ズドンという地響きのような迫力と共にエンジンが吹け上がった。周囲の空気がビリビリと震える。空冷4気筒好きなライダーが夢中になりそうなフィーリングだ。けれどZ900RSの素晴らしいのは走り出してからだった。クラッチをつないで走り出した瞬間、図太い低速トルクで車体がグイッとおし出された。これまでの水冷ネイキッドとはまったく違うフィーリングだったのである。

カワサキ Z900RSの試乗インプレッション

Z900RSの詳細写真は次のページにて

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