

掲載日:2017年02月08日 試乗インプレ・レビュー
取材・文/佐川健太郎 写真・動画/山家健一 衣装協力/HYOD
V7シリーズをベースにボア・ストロークともに拡大して排気量アップした空冷縦置きV型2気筒OHV2バルブ853ccエンジンを搭載。V9ボバー同様、シリンダー&シリンダーヘッド、ピストン、オイルラインなどを刷新するなど、クランクケース以外は新設計となっている。
クルーザーらしい安定感を印象づける大径19インチ、100サイズタイヤを採用。フロント足まわりは正立フォークとブレンボ製対向4ピストンキャリパー&シングルディスク、アルミ鋳造ホイールなどV9同様の装備となっている。
ドライブシャフト一体型スイングアームとプリロード調整付きツインショック、2ピストンキャリパー&シングルディスクを組み合わせるリアまわり。16インチ、150サイズのリアタイヤ、左右2出しマフラーもV9同様だ。
ファイナルドライブはV9用に新設計されたダブルジョイントシャフトドライブ機構で、サイズの大型化と新型べベルギアの採用によって、強力なトルクを適切にコントロールしている。
平たいデザインが特徴的なスチール製燃料タンク(容量15リットル)を採用。形状はボバーと同一だが、光沢のあるグロス塗装がボバーとはまた違ったエレガントな雰囲気を醸し出している。
滑りにくい素材のレザーを採用したロングシートは、グレーステッチとパイピングを施されている点はボバーと同様だが、前後が切り落とされているようなボバーに対して、ローマーはタンデムも余裕でこなせるフルサイズが採用されている。シート高は5mm程高い。
丸目1灯のヘッドライトは一般的なマルチリフレクタータイプを採用。クリアレンズのウインカーも含めてボバーと共通イメージでまとめられている。ハンドルバーはより高くワイドな形状で、ボバー以上にアップライトでリラックスしたライディングポジションを提供。
リアフェンダーはボバーに比べると延長され、より下側まで回り込んでいる。前後フェンダーとも1970年代以降のモト・グッツィのカスタムモデル同様スチール製が採用され、丁寧なペイントも含めて質感は高い。
左グリップ手元のスイッチボックスには、メーターのモード切り換えスイッチ、トラクションコントロールのボタンなどが配置されている。バーエンドウエイト部分はハンドルバー同様、メッキパーツが使われている。
ステップホルダー、フットレスト、ペダルなどのフットパーツは高級感のあるアルミ鍛造製。前すぎず低すぎず、スポーティな走りもこなせる最適なポジションとなっている。
スマホなどのITガジェットに対応するUSBポートをステアリングヘッド下の右サイドに配置。オプションのマルチメディアプラットフォームを活用することで、スマホを多機能オンボードコンピュータとして使える。防犯対策用のイモビライザーも標準装備する。
ボバーと共通のメーターまわり。ホワイトパネルに細めのブラックレターのアナログ式速度計と、その中に控えめに設けられたデジタル表示が、シンプルで上質な雰囲気を醸し出す。
価格(消費税込み) = 124万8,000円
※表示価格は2017年2月現在
モトグッツィV7シリーズの排気量を拡大した伝統の縦置きVツインエンジンを、クラシカルな雰囲気のスタイリッシュな車体に搭載した正統派クルーザー。先に投入された「V9ボバー」とは派生モデルの関係。
■エンジン型式 = 空冷V型2気筒 OHV 2バルブ 4ストローク
■総排気量 = 853cc
■ボア×ストローク = 84.0×77.0mm
■最高出力 = 40.44kW(55 HP)/6,250rpm
■最大トルク = 62N・m/3,000rpm
■トランスミッション = 6速リターン
■サイズ = 全長2,240mm×全幅865mm×全高1,165mm
■車両重量 = 199kg
■シート高 = 785mm
■ホイールベース = 1,465mm
■タンク容量 = 15リットル
■Fタイヤサイズ = 100/90-19
■Rタイヤサイズ = 150/80-16
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