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SWM グランミラノ440

SWM グランミラノ440 – 期待のミドルスポーツヘリテイジを検証する

掲載日:2016年10月19日 試乗インプレ・レビュー    

取材・文/佐賀山敏行  写真/井上 演

SWM グランミラノ440 試乗インプレッション

右に左に自由自在!
正統派シングルスポーツ

SWM グランミラノ440の試乗インプレッション

跨ってみると、シートは意外と分厚くて幅がある。身長174cmのライダーでも少しかかとが浮いてしまうのは、幅広のシートによって足が外側に押し出されるから。ただし車体自体は軽いので不安はない。セパレートタイプのハンドルは大きく広がっていて前傾はキツめ。対してステップはやや前寄りとなっていて、体型によっては腰への負担が大きいかもしれない。ただ、これはハンドルの絞り角などを調整すれば解消されるだろう。低いセパレートタイプのハンドルと前寄りのステップ(といっても十分バックステップと呼べるものだが)の組み合わせは、ビンテージ・カフェレーサーを思わせるもので、なんだか気分が盛り上がる。

SWM グランミラノ440の試乗インプレッション

注意しなければならないのがエンジンの始動だ。グランミラノ440はサイドスタンドを払わないとエンジンが始動しない。一般的な国産モデルはギアを入れたままサイドスタンドを払うとエンジンがストップするが、このモデルはまったく逆。あらかじめ説明を受けていたにも関わらず、ついいつものクセで、サイドスタンドを出したままセルスイッチを押してしまった。エンジンはかからないがセルモーターは回り続けるので、バッテリーの消費は激しくなる。

SWM グランミラノ440の試乗インプレッション

排気量445ccの単気筒エンジンはとてもトルクフルで、コンパクトな車体をぐいぐい引っ張ってくれる。SRのような激しい振動はなく、それでいて高性能シングルエンジンのように軽く回るわけでもない。適度な鼓動感を伴いながら、エンジンは素直に回転数を上げていくのだ。この絶妙なエンジンフィーリングがなんとも心地よい。

街中では交通の流れをしっかりとリードできる。ラジアルマウントのブレンボ製ブレーキは秀逸で、渋滞中のノロノロ運転での細かいブレーキングでも、急ブレーキをかけてみても変な挙動は見せず、常にライダーのコントロールのなかにある。エンジンこそオーソドックスだが、足周りはじつに素晴らしい。

SWM グランミラノ440の試乗インプレッション

高速道路に入ると、足周りの良さはさらに顕著に現れる。制限速度ギリギリまでスピードを上げても、車体はしっかりと安定し、車線変更もハイスピードコーナーも不安な挙動を感じることなく安心して走ることができた。倒立フロントフォークや剛性の高いスイングアームなど、オーバークオリティとも言える装備が車体に安定感をもたらしているのだ。

飛び抜けた性能があるわけではないが、エンジンのパワーをしっかりと受け止めることができるため、バイクを自由自在に操っている気分が味わえる。まさに正統派シングルスポーツと呼ぶにふさわしい。

SWM グランミラノ440の試乗インプレッション

現行のスポーツモデルと言えば、とてもライダーには扱いきれないような、強大なパワーを発するスーパースポーツや大排気量ツアラーが主流だが、グランミラノ440の場合は適度なパワー、そしてそれをしっかりと受け止める足周りによって、ライダーが走る楽しさを感じやすいモデルだ。トラディショナルと革新性を融合させたデザインは個性的で、所有欲も十分に満たしてくれる。

ビギナーからベテランまで、あらゆる層を満足させるシングルスポーツは、毎日の足としても活躍するし、ツーリングマシンとしても秀逸。“個性”を求めるライダーだけでなく、“普遍”を求めるライダーにもオススメできる1台だ。

グランミラノ440の詳細写真は次のページにて

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