

掲載日:2016年04月14日 試乗インプレ・レビュー
取材・文/佐川 健太郎 写真/山家 健一 動画/倉田 昌幸 衣装協力/HYOD
現在のV7シリーズは、2008年に「Breva 750」をベースに1960年代の名車「V7」をイメージしたクラシカルなデザインを施したモデルとしてデビューした。その中で、「V7レーサー」は初代V7のプロダクションレーサーの復刻版として登場。ロングタンクにシングルシート、ゼッケンプレートなど、往年のクラシックレーサーの雰囲気をまとった、上級スポーツ仕様の位置づけである。2012年には新型となり、F.I.システムはシングルスロットルボディECU一体型MIU G3に変更。エンジンも全面的に見直されて最高出力は40psから50psにアップ。燃料タンクも樹脂製から金属製となり、容量は17リットルから22リットルに増量するなど刷新されている。そして2015年、さらなる進化を遂げたのが、最新版のV7Ⅱレーサーである。
1970年代にレースで活躍した「V7スポーツ」の特別仕様、「TelaioRosso(テライオロッソ=赤フレーム)」を彷彿とさせる、赤色のダブルクレードルフレームが印象的なV7レーサーは、2012年に登場した2代目で大きな改良が施された。排気量744ccの縦置き空冷90度Vツイン、OHV2バルブエンジンの基本レイアウトは踏襲しつつも、全体の70%のパーツを見直して最高出力とともに燃費も向上。前後サスペンションのセッティングを変更し、ホイールもスチールからアルミ製とするなど足回りも強化された。さらに燃料タンクは樹脂製からクロームメッキを施したスチール製となり、グレード感も向上。タンク容量も17リットルから22リットルへと拡大され、燃費の向上とあわせて航続距離も大幅に伸ばしている。その後、2014年には発電システムが空冷から油冷に変更された。
そして2015年に「V7Ⅱレーサー」へとモデルチェンジ。エンジン搭載位置を10mm下げて4度前傾させることで低重心化を図るとともに、ヒザまわりのゆとりを確保。新たに6速ギアボックスを採用することでスムースなシフトチェンジを実現している。また、プロペラシャフトの取り付け位置も50mm下げられたことでリアサスペンションの動きを向上し、路面追従性をアップ。シート高を15mm下げることで足着き性もさらに向上している。
さらにトピックとしては、電子制御化が進められたことだ。前後ブレーキを個別に制御する2チャンネルABSとトラクションコントロールシステムを新たに標準装備とし、安全性を向上。ブレーキキャリパーとマスターシリンダーも改良されるなど、全面的にアップグレードされている。なお、2015年モデルから最高出力値は欧州のA2免許に対応して48psに設定されている。
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