



掲載日:2011年07月07日 試乗インプレ・レビュー

アイデンティティともいえる空冷OHVシングルエンジンは、ボア84mm×ストローク90mmの典型的なロングストローク。この数字は初期モデルから変更はない。シリンダーは軽量で放熱性に優れるアルミ製。

ECU、スロットルボディ、セルモーターなどの新型エンジンで採用された主要電装パーツは、信頼性に優れる日本製を採用。スロットルボディは巧妙にカバーされており、オーセンティックなマシンのスタイルを崩さない。

セルモーターを装備するが、キックによるエンジン始動も可能。キックペダルは非常に軽く、セルと同様に容易にエンジン始動が可能。

キャブトンスタイルのマフラーにはキャタライザーを装備。インジェクションと併用することで、厳しいことで知られるヨーロッパ圏内の環境基準EURO3への適合に成功している。

フロントフォークはコンベンショナルなテレスコピックタイプ。フロントブレーキには新たに油圧式ディスクブレーキを採用する。ブレーキキャリパーは片押しピンスライドの2ピストンキャリパー。

リヤショックユニットはリザーバータンク付きで、プリロードの調整が可能。リヤブレーキはドラム式。チェーン調整はスネイルカムで行う。

シートはスクエアなフォルムが特徴的なダブルシート。シートの角が立っているため足着き性自体はあまり良くないが、マシンの重心がとても低いので安定性は高く、つま先だけでも接地するのなら不安感は小さいだろう。

右ハンドルスイッチにはライトスイッチ、キルスイッチ、セルボタンを装備。

左ハンドルスイッチにはライトのHi/Lo切り替えスイッチ、ホーンボタン、チョークレバー、プッシュキャンセル式ウインカースイッチを装備。ハンドルスイッチとグリップのデザインは現代的で、車体のデザインとは少々そぐわない。

ヘッドライトはクラシックなシェード付き。左右の小径のライトはポジションランプ。ヘッドライトの光量はいまひとつ。電装系は12Vを採用しているので、グレードアップも考えてみたい。

インスツルメンツパネルは、スタイリッシュなライトケース一体式。スピードメーターのパネル内にライト、ウインカー、ニュートラルランプのインジケーターを装備。燃料警告灯と、インジェクション警告灯は別パネルを設ける。キーシリンダーはイグニッションのON/OFFのみで、ハンドルロックは別体式とされる。

燃料タンク容量は14.5リットル。タンクに引かれたラインは、熟練した職人の手による手描き。

エンブレムはプレス成形された金属製で、2ピースで構成される凝った意匠。カラーバリエーションはブラックのみ。

サイドカバーは左右ともにボックス形状。右サイドカバー内はエアクリーナーボックス。

左サイドカバー内には電装系が収められている。

車体左側にはバッテリーケースが設けられる。右側の同じ位置にはスロットルボディのカバーがあり、シンメトリーなデザイン。このバッテリーカバーやサイドカバーなど、メンテナンス時に開閉する必要がある部分は、イグニションキーでロックを解除できる設計となっている。

テールランプホルダーと一体式のリアフェンダーは金属製。樹脂が使用されているのは、ウインカーやレンズなどごくごく一部分のみ。現代では実に珍しく外装のほとんどが金属製のため、独特の重厚な質感を有している。








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