ホンダ  CB1100
ホンダ  CB1100

ホンダ CB1100 – バイクらしさの原点へと回帰

掲載日:2010年03月11日 試乗インプレ・レビュー    

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部

ホンダ CB1100の特徴

ホンダ CB1100の画像

見えない部分へのこだわりが
洗練された機能美を生み出す

CB1100最大の特徴は、このマシンのアイデンティティともいえる空冷DOHC直列4気筒エンジン。フューエルタンクの両端からシリンダーヘッドが覗く姿は、コンパクト化が進むパワーユニットが多い中で格別の存在感を見せつけてくれる。整然と並ぶフィンはまさに空冷エンジンだけが成し得る造形で、性能はあれどつるりとした水冷エンジンには出せ無い美しさを感じてしまう。興味深いのは、この美しさが単なる外見だけでは無く、機能的なものを伴っているところ。例えば、空冷フィンの形状や配置、隙間はすべて“最適な冷却性能”を追求したからこそ生まれたもので、ただ単にデザインを重視しただけの存在では無い。フィンの厚みや枚数、導風方向(なんとプラグ座まで綺麗に空気を流している)にこだわった末に生まれたものだからこそ、洗練された機能美を作り出せているのだ。

ホンダ CB1100の画像

また、そういった機能とは直接関連しない部分のデザイン面でも、相当なこだわりを持って作りこまれているところが、CB1100の所有欲をくすぐるところ。例えば、リアフェンダーは配線を美しく通すための加工が行われているし、シートやタンクを外しても無駄な溶接痕を見せない丁寧な仕上げは、着物や足袋の裏地にこだわる日本的な美しさを感じさせてくれる。驚いたのはリアウィンカーステーの構造で、メッキフェンダーに黒い配線が映り込むと不細工に見えてしまうという理由から、別途金属のカバーを加えることで外観に配慮しているのだ。また、こういった金属パーツの多さも忘れてはならないCB1100の特徴の一つ。風景が映り込む前後フェンダーからタンデムグリップ、各種カバー類までプラスチックパーツはほとんど存在しない。サイドカバーとメーター以外はほぼ金属で出来ていると言ってよい。車両重量を考えると不利かもしれないが、そういった数値的優位性よりも質感を追求した姿勢は、まさに「大人の乗り物」と言いたくなってしまう。

ホンダ CB1100の画像

個性を感じる部分としてもう一つ上げておきたいのは、前後18インチホイールを採用する足回り。穏やかな走行感のために採用されたこのホイールだが、10本スポークの軽快なデザインや、リムの切削加工など凝った作りとなっており、リジッドのような外観でありながら、実はフローティングディスクというハブレスタイプのブレーキも特徴的だ。こういった雰囲気を盛り上げるディティールへのこだわりと、質感の高さを大切にするスタンスを保ちながら、シート下の小物収納スペースや荷掛けフックやヘルメットホルダーの装備など、ユーティリティ性もおろそかにしていない。CB1100は機能から生まれる美しさと、こだわりが作りだす存在感、そして適切な利便性をも兼ね備えた、完成度の高い1台となっている。

ホンダ CB1100の詳細写真は次ページにて

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