スズキ グラディウス400 ABS
スズキ グラディウス400 ABS

スズキ グラディウス400 ABS – 欧州で人気のネイキッドが遂に日本デビュー

掲載日:2010年02月18日 試乗インプレ・レビュー    

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部

欧州で人気のネイキッドが遂に日本デビュー
400ccカテゴリに新風を吹き込めるか

ヨーロッパで発売された当初から日本向け概要サイトが開設されたこともあり、早くから日本市場導入が期待されていた「グラディウス」。その注目のモデルが普通2輪免許で楽しめる400ccクラスへと排気量を変更し、遂に2009年末に「グラディウス400ABS」として投入された。2006年にGSR400が発売されて以来ブランニューモデルがなかったこのクラスだが、国内市場デビューを果たした待望の新型がまたもスズキ発ということに、同社のこのカテゴリに対する情熱が伺い知れる。一見すると輸出モデルの排気量が変わっただけに見えるが、一度資料を紐解けば単なるミドルバージョンではなく、むしろ日本専用特別仕様と言いたくなるほど細部までこだわった1台に仕上がっている。以前に比べて冷え込みを感じる400ccクラスへと投入された意欲的な新型は、新しい風を吹かせることが出来るのか。グラディウスの輸出モデルとも比べつつ、じっくりとインプレッションしてみたい。

スズキ グラディウス400 ABSの試乗インプレッション

スズキ グラディウス400 ABSの画像

市街地からワインディングまで
進化を感じさせるパフォーマンス

正常進化というのは、おそらくグラディウス400ABSのようなモデルのことを言うのだろう。スズキのスポーツツインエンジンを搭載するネイキッドとして、先代モデルとも言えるSV400とも、輸出モデルでもあるグラディウスと比べても、そのパフォーマンスが明確に違うことに非常に驚かされた。特にエンジンの完成度はエキサイティングなレベルに達しており、SV400で感じた低回転の弱さは皆無の仕上がりで、高回転の伸びや余裕は排気量の差こそ感じるものの650ccエンジンを積む輸出モデルと比べても大きな不満は無い印象だ。低回転はそれこそ微妙な開度からスロットルにしっかりと追従し、右手を大きくひねれば多少低い回転域からだろうが胸のすくような加速に心が躍ってしまう。車名の由来となった「剣」をモチーフとしたエキゾーストが奏でるサウンドも歯切れが良く、ツインエンジンらしいパルシブな鼓動でライダーを楽しませてくれる。そしてもうひとつ、このモデルの大きな特徴でもあるABSにも注目しておきたい。これまで国内外のさまざまなABS付車両に乗ったが、グラディウス400ABSはその中でも作動時のフィーリングが分かり易いだけでなくとてもマイルド。少し慣れれば比較的容易にコントロールできるため、ブレーキング時の安心感が大きい。「バイクにABSなんて…」と仰る方もいるかもしれないが、やはりこういった装備は付いているに越したことはないのだ。

スズキ グラディウス400 ABSの画像

この二つの進化を持つグラディウス400ABSの走りは、正直言って想像以上のものだった。乗る前までは失礼にも「650ccと比べるのは可哀想かも」などと思っていたのだが、ここまでくると確かに別モデルだ。排気量に由来する余裕は確かに400ccに無いかもしれないが、こちらにはハイパフォーマンスなエンジンを思い切り回して乗る、という面白さがある。特に400ccクラスにおいてこのエモーショナルな加速感はライバルに無いものだし、Vツインが生み出す独特のトルク感と鼓動があいまって格別な楽しさを感じてしまう。日本の道路事情に合わせつつ、これまでに無くハイパフォーマンスなモデルとして仕上げられたグラディウス400ABSなら、ミドルクラスに新しい風を吹き込んでくれそうだ。

スズキ グラディウス400 ABSの特徴は次ページにて

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