アプリリア ドルソデューロ
アプリリア ドルソデューロ

アプリリア ドルソデューロ – レーシングとストリートの融合

掲載日:2009年07月09日 試乗インプレ・レビュー    

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部

アプリリア ドルソデューロの特徴

アプリリアのスポーツマインドが光る
最新技術とレーシングノウハウの集約

ドルソデューロの特徴のひとつは、シヴァー750同様エンジンマップの選択が可能な装備だ。これはモーター駆動によってスロットルバルブを開閉し、適正なトルク特性を自動的に発生させる技術によるもので、ギア段数、エンジン回転数、スロットル開度と開閉速度、外気温、気圧などを電子的に解析する『ライド-バイ-ワイヤ電子制御スロットル』が可能としている。市街地や高速道路での走行、いわゆる通常のライディングでは「ツーリング」モード。鋭いピックアップとパワーを体感できる「スポーツ」モード。それにワンテンポ遅れてトラクションが伝わってくるような「レイン」モードと言った3つの異なるマップから、シチュエーションに応じて選択することが出来る。切り替えはエンジン稼動時、スロットルを戻した状態で右手のセルボタンを押すだけ。ちなみに「スポーツ」モードだが、これを思いっきり愉しみたいなら、ひと気の無いワインディングかクローズドスペースに持ち込むことを強くオススメする。この設定は笑ってしまうほど過激な出力特性になっており、気を抜いていると勝手にフロントアップしたり、Uターンではその気も無いのにテールスライドが出来てしまう。ライディングに専念出来る環境でこそ、目一杯愉しめるというものだろう。さらに燃料消費量もそれなりに激しくなるのでご注意あれ。

アプリリア ドルソデューロの画像

また、デザイン的にも目を惹く複合フレームも特徴的な部分。トレリス構造の鋼管ナローフレームから、シヴァー750より受け継いだアルミサイドメンバーへ連結させた技術はレーシングシーンからフィードバックされたもの。単にデザインに凝っているということではなく、構造的にVツインエンジンを搭載するスーパーモタードマシンのフレームとして、最も理に適ったものなのだ。そして車体センターから外側へオフセットされた剥き出しのリアモノショックは、全長をコンパクトにまとめて車体コントロール性を向上させており、また理想的な排気ラインを置くスペースも確保している。ドルソデューロを眺めていると、機能を追及した結果のデザインというのは、かくも美しくまとまるものなのか、とついつい感心してしまう。

コックピットにはアナログ表示のタコメーターとデジタル表示ディスプレイ、それに各種インジケーターランプがまとめられている。ディスプレイには走行距離や時計はもちろんのこと、外気温や走行時間、トップ・平均速度などいろいろと表示してくれるが、個人的に、平均燃費があって燃料残量表示が無いのは残念なところ。これらの表示は左手スイッチボックスのモードコントロールで操作が可能。

一見して戦闘的なモタードマシンという印象を受けるものの、そのデザインに無駄は無く、じつは伊達ではない。単純にカッコイイから、という理由で選ぶのもアリだとは思うが、万人受けするマシンとも思えない。ある程度“痛い目”を経験してきたライダーにこそ相応しい乗り物だと思う。

アプリリア ドルソデューロの詳細写真は次ページにて

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