スズキ バンバン200
スズキ バンバン200

スズキ バンバン200 – 極太タイヤをリアに履いたユニークなシングルバイク

掲載日:2009年07月03日 試乗インプレ・レビュー    

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部

極太タイヤをリアに履いた
ユニークなシングルバイク

若いライダーには意外かもしれないが、スズキの「バンバン」は歴史の長いバイクだ。初代モデルであるバンバン90が発売されたのが1971年なので、デビューは今から30年以上も前となる。レクタングルと呼ばれる特殊な極太タイヤを履いており、一般的な舗装路では乗り味に癖があるものの、砂地や雪道といった悪路での走破性は高く、プレイバイクとして高い人気があった。名前自体も「どこでもバンバン走れる」からというストレートなもので、ユニークな1台として覚えているベテランライダーも多いかも知れない。今回試乗するバンバン200は、当時の雰囲気を再現したモデルで、4サイクルエンジンを搭載したストリートバイク。基本は別のバイクとなるものの、極太タイヤとスリムなボディを組み合わせたスタイルはまさに後継モデルにふさわしいもの。今回はフラットダートなどにも持ち込み、どれだけ「バンバン」走れるか試してみることにした。

スズキ バンバン200の試乗インプレッション

スズキ バンバン200の画像

路面状態なんて気にしない
ストリートスタイルの土系バイク

「どこかとぼけたヤツだな」と言うのが、はじめてバンバン200を見たときの印象だった。細い車体に似つかわしくない極太のタイヤに、カスタムバイクのようなタックロール付きのシート、ハンドルは幅広でメーターは超コンパクト。ストリート系のカスタムバイクのようでいて、どこかトレールバイクの雰囲気も漂わせるスタイルからは、このバイクがどんな走りを見せてくれるのかが想像できない。百聞は一見にしかず、ということで早速エンジンに火を入れ、まずは混雑する都内に乗り出してみた。ここでの印象は乗り易いストリートバイクと言ったもので、豊かな低速トルクとゆとりあるポジションで快適そのもの。ハンドルの切れ角も大きいので、狭い道での切り返しも苦にならないのは好印象だ。その反面、高速走行はあまり得意科目ではない。風を全身で受け止めざるを得ないポジションと低速重視のエンジンは、高速道路を一気に走るというシチュエーションでは使いづらいだろう。とはいえ、時速80kmくらいでの巡航は適度なトルク感を楽しめ、「こういうのもアリか」と思わせるだけの雰囲気を持っている。

スズキ バンバン200の画像

そんなバンバン200だが、今回最も面白く、ハマってしまったのは未舗装路でのライディングだ。これは正直言ってストリートでの快適さすら忘れてしまうほど楽しい。ダート向けのパターンをもつ極太タイヤと安定感のある足まわりは、フラットダート程度ならびくともせず、遠慮なくスロットルを開けていくことが出来る。サスペンションストロークがオフロードバイクに比べれば短いため激しいライディングには向かないが、急な斜面を登ったり、河川敷の砂利道や草地を走破したりなど、バイク遊びにはもってこいの性能を持っている。「行き詰った!」と思っても大きなハンドル切れ角と、2輪2足で進めるシート高の低さがあれば不安は無し。扱いやすい低速トルクはそのまま登坂の強い味方となり、ちょっとした土手ならばバンバン200の勢いに任せて登ってしまえるほどだ。ストリートバイクとカテゴライズされることの多いモデルだが、走れるステージはライダーの想像力次第。街中を走るだけにとどまらない、「遊べる」バイクとしてとても魅力的だ。

スズキ バンバン200の特徴は次ページにて

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