

掲載日:2009年06月11日 試乗インプレ・レビュー
構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
エストレヤで最も注目したいのは、なんといってもレトロで美しいスタイリングだ。1960年代ごろの名車を思い起こさせるボディラインは、最新モデルにはない個性的な存在感を持っている。また、フェンダーなどにメッキパーツを多用しており、着色樹脂系部品には無い質感を演出しているのも特徴だ。美しさという点では、エンジンの造形についても言及しておきたい。250ccクラスではめずらしいロングストロークの空冷単気筒エンジンには、繊細な美しさを持つ冷却フィンが刻まれており、単体でも見ごたえのあるデザインだ。その他細部のディティールまで挙げていくとキリが無くなるほど、エストレヤのルックスは見事。このスタイルに関するこだわりは、2007年に導入されたフューエルインジェクションにも及んでいる。キャブレターに比べてどうしても無骨になりがちなインジェクターボディは、メッキカバーを装着することで違和感を減少。往年のスタイルを乱さないよう、礼儀正しく車体に収められている。この作り手のこだわりがエストレヤの存在を一際輝かせており、現代を生きるノスタルジックなスタイルは、17年の年月を経ても決して色褪せていない。
とは言え、エストレヤは何も変わらないまま長い年月を過ごしてきたわけではない。初期モデルでは770mmだったシート高は、モデルチェンジにて大幅に下がり730mmという足つきの良さを実現。スピードメーターのみだったメーターは液晶パネルを備えたほか、タコメーターが追加されより充実したハンドルまわりを作り出している。ブレーキも頼りなかった1ポッドから、現在は2ポッドになり安全性も高められており、古風なスタイルの下には現代的な性能が息づいている点も忘れてはならない特徴だ。ただの懐古趣味的なバイクに終わらず、今のライダー達に必要な機能性も備えている、それがエストレヤ。旧車のような雰囲気を漂わせながら、手間をかけずに毎日楽しめるバイクとしての完成度は相当なもの。「見た目が気に入った」というなら、是非一度またがってみて欲しい。
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