掲載日:2008年06月17日 試乗インプレ・レビュー
構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
人目を引くデザイン、というのはSHIVER750のようなバイクにこそ使いたい言葉だ。逆三角形型のヘッドライトに、エッジの効いたシャープなフォルム。隅々まで力のみなぎるようないでたちは、停めているだけでも衆目を集める個性を持っている。車体のアクセントとしても効果的なゴールドカラーのフレームは、世界を戦うスーパーモタードSXVからのフィードバッグによって設計されたもの。しなやかなトレリス鋼管と剛性のあるアルミ鋳造サイドメンバーを、高強度ボルトで連結したハイブリッド構造となっている。見た目の派手さに気をとられがちだが、走りのスポーツネイキッドの背骨として妥協のないクオリティだ。サスペンションはアルミ製スイングアームとフレームをダイレクトにつないだものを採用。ブレーキにはフロントにラジアルマウント対向4ポッドキャリパーをダブルで備えており、ストッピングパワーも十分だ。
そして、何よりSHIVER750を特徴づけるのは、ゴールドのフレームの奥に詰め込まれた最新のテクノロジーだ。新開発の水冷90°Vツインエンジンは、このモデルのためにアプリリアが設計しピアジオが生産したもので、95ps/9,000rpmを発揮する。スペック自体は飛びぬけた数値ではないが、これに組み合わせられるエンジンマネジメントシステム「ライド・バイ・ワイヤ」が大きな目玉だ。スロットル開度や各種走行条件を読み取り最適な燃料噴射を行うこのシステムは、手元のスイッチで出力特性を3段階に調整することが可能。ハードな走行に向けたスポーツモード、一般走行向けのツーリングモード、雨天時に使えるレインモードが用意されている。スタイリッシュなルックスの中に秘められた高性能と最新技術、これこそがSHIVERの大きな魅力だ。