

掲載日:2007年09月26日 試乗インプレ・レビュー
構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
エンジンをかけ軽くアクセルをあおった瞬間に伝わってくるのは、このマシンが凡百のものではなく、強烈なパワーを秘めたスーパースポーツであること。軽く吹けあがるタコメーターの針と、ノーマルでも十分に迫力のある排気音に緊張しつつ走り出すと、意外なことに気づかされる。ルックスやスポーツバイクであるという先入観とは裏腹に、スムーズかつトルクフルな出足は、余裕をもって街中を流せるものなのだ。安定した車体と、圧倒的なスペックゆえの余裕ある出力特性は、クルマの流れをリードするに十分。一度安定する回転域に入ってしまえば、オンザレール感覚のハンドリングと、アクセルをひねれば湧き出すパワーで快適そのもの。ポジションこそきつめなものの、下道から高速道路までタコメーターの3分の1も回せば十分に楽しめてしまう。
ただ、スムーズでトルクがって乗りやすいからといって決してなめてかかってはいけない。低回転域から中速まで、スロットルをソフトに開けている間こそ紳士的だが、車体に搭載されたDOHC4気筒エンジンは、ラムエア加圧で180馬力を超える圧倒的なスペックを秘めたもの。いざ、と本気を出してスロットルをひねれば、恐ろしいほどの加速をはじめる。高速道路の追い越しが楽、というレベルではない。ホームストレートでライバルを抜き去るための本物の加速は、ストリートではオーバースペックなレベルだ。サスペンションやブレーキもそれにあわせて整えられており、ZX-10Rが「本領」を発揮したあともコントローラブル。圧倒的なパフォーマンスをコントロールする快感は、ほかのジャンルのバイクで楽しめない歓びと言えるのではないだろうか。
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