掲載日:2007年09月26日 試乗インプレ・レビュー
構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
ZX-10Rの一目見てわかる最大の特徴、それは一切の無駄を削ぎ落とされたかのようなボディだ。カワサキワークスのカラーでもあるライムグリーンの車体は、中に1000ccのハイパワーユニットを搭載しているように思えないほどにスリムでコンパクト。車高こそスーパースポーツバイクらしく高いものとなっているが、全長などは同社製の400ccネイキッドよりも短く、車重にいたっては乾燥重量でなんと175kgしかない。実際に跨って取り回しを調べただけもこのコンパクトさと軽さは驚異的でビッグバイクとは思えないほど。無駄のなさ、という面においては走りへの特化もすごい。ハンドルは低く、ステップはコントロール性の高いバックステップタイプを採用。スクリーンは高さこそあまり高くないものの、伏せてしまえばピタリと決まるサイズにデザインされている。その他のブレーキ周りは最近の標準でもあるラジアルマウントキャリパー+ラジアルマスター、フロントフォークは作動性を高めるコーティング済みと、とにかく走ることへの執念を感じさせる仕上がり。
また、伝達部にはmotoGPの技術からフィードバックされたバックトルクリミッターも備えている。マフラーはアップタイプが採用され、ノーマルからチタン製を採用し、徹底的な軽量化を実行済み。また、シート下の収納や荷物をかけるフックなどは備えられておらず、このマシンが非日常をステージとするスーパースポーツであることを強烈に主張している。そしてサイドカウルにはカワサキのスポーツバイクの証明である「Ninja」のロゴ。そう、これはカワサキが作る最新の「ライムグリーンファイター」なのだ。