掲載日:2007年08月29日 試乗インプレ・レビュー
構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
W650全体から感じられるのは、日本のバイクとしての美しさ。日本のモーターサイクル黎明期をにぎわせた名車の面影を感じるルックスは、今この時代においても色褪せることはなく、むしろ個性的な美しさを感じさせてくれる。特にべべルギア駆動の空冷4ストロークSOHC4バルブバーチカルツインエンジンの直立したシリンダーからは、このバイクが紛れもなく名車Wの血統だとわかる。
また、各部の作り込みにおいても、風景が写りこむほどのメッキや、細やかな造形のエンブレムなど職人的なこだわりを感じる仕上がりだ。車両自体のサイズはコンパクトで、絞り込まれたタックロールデザインのダブルシートシートは乗り心地も足つき性ともに良好で、身長が170cmもあればしっかりと地面に足が付く。また、タンデムしやすいようにリア周りにはタンデムグリップが装着されているという心配りが嬉しいところだ。ヘッドライト、ウインカー、テールライトともにメッキを効果的に用いたオールディーズなスタイルで、W650の雰囲気とのマッチングも完璧だ。
もちろん、ルックスだけでなく実用的な装備面も充実している。先ほどのタンデム用グリップだけでなく、荷掛けフックもシート周りに備える他、キーシリンダーには異物で無理にまわすとシリンダーがフリーになってシリンダー内を保護し、電気回路の遮断を行う防犯性の高いタイプを装備。トラディショナルなルックスは一時の流行などではなく、こだわりと機能性をしっかりと両立させているのだ。