

掲載日:2007年05月10日 試乗インプレ・レビュー
セルスターターや前後ディスクブレーキはもちろんのこと、フューエルインジェクションやABSブレーキ、油圧クラッチが当たり前に装備されるこのご時世に、2バルブエンジン、前後スポーク、リヤドラムといった前時代的な内容のヤマハSR。1978年の登場以来、キャストホイール仕様や前後ドラムブレーキ仕様などがこれまで登場してきたが、現在の仕様は一巡して再び初期型と同じ仕様、フロント=ディスクブレーキにスポークホイール、伝統的なカラーリングといった内容だ。カタログを開いてスペックを見ると、エンジンは400クラスとしては非力と言える27ps。だが、果たして本当に非力なのか。それは机上でのお話で実際に乗ってみると、普通に市街地を走ったり、ちょっとしたツーリングに出掛けても困ることはない。ちなみにボクは36年前の旧車(K社の650)を所有し、日常的にツーリングを楽しんでいるが、それに比べれば力はあり常用速度域は上だ。ボクに言わせてみれば、SRは十分に速い。
そして、その魅力はなんと言ってもトラディショナルなスタイリングだ。空冷エンジンらしい美しく刻まれたフィンを持つシリンダーから伸びるマフラーは、シンプルでカッコイイの一言に尽きる。深い光沢を放つクロームメッキの前後フェンダーやスポークホイールは、見ていて飽きない。余計なもののない、タンク、シート、サイドカバーで構成されるこの完成されたフォルムは見事と言えよう。シンプルな車体構造がゆえにカスタムのベースとしても最適とされているが、このシルエットを崩してしまうのはもったいない。ボクなら、SRはノーマルで乗るに違いない。
4ストロークエンジンの基本形ともいえる空冷SOHC2バルブ単気筒のシンプルな構成。ビッグシングルならではのダイナミックなレスポンスを実現。フレームパイプの一部をオイルタンクとしている。
前後ドラムブレーキの時代もあったが、現在はフロントに298mmのディスクブレーキを装備。確実な制動力とブレーキフィールを得ている。美しいホイールは18インチのスポーク仕様。
オーソドックスなエンジンと車体に相応しいシンプルなクロームメッキ仕上げのマフラー。真っ直ぐに伸びたフォルムが美しく、車体ぎりぎりまで近づけたことで、いっそうスリムな車体を演出している。
シンプルかつ美しいフューエルタンクにはヤマハ伝統の音叉マークが入る。トラディショナルなスタイルで、容量は12Lを確保。カラーはマルーン(新色)、ブラウン、ブラックの3色をラインナップする。
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