

掲載日:2007年05月02日 試乗インプレ・レビュー
一切の無駄を排したSV1000Sの精悍なボディ。乗る前から相当な実力の持ち主であることは簡単に想像できる。かつて、SUZUKI「TL1000R/S(SV1000Sの先代モデル)」をはじめHonda「VTR1000F」など、Vツインの本格派ロードスポーツモデルが続々と登場した時期があった。これらモデルは、4気筒750cc、2気筒1000ccまでという「スーパーバイク選手権」のレギュレーションの影響から生まれたベースモデルたちであった。しかし当時、リッタークラスの4気筒スーパースポーツモデルを乗りこなす自信がなかったボクは、「TL1000S」らが登場したとき「扱いやすくて、なんて速いバイクなんだろう」と思ったことを今でも覚えている。低回転域からトルクフルでコンパクトなエンジンは、トラクションが得られ乗りやすい。車体も4気筒モデルより軽く、ハンドリングも軽快だった。そんなVツインスポーツもスーパーバイクのレギュレーション変更(4気筒1000cc化)に伴い姿を消してしまったが、Vツインの実力が侮れないものだということは、そのとき痛感した。前置きが長くなってしまったが、そんなV型2気筒エンジンを搭載したSV1000Sが現在もラインナップされていることは嬉しい限り。購入する人はきっと、Vツインスポーツのメリットを熟知しているツウ好みのライダーなのだろう。
クリップオンハンドルとバックステップの組み合わせで、ポジションはいたって戦闘的。フューエルインジェクションと組み合わされたエンジンは低速から力強く、高速域までストレスなく吹け上がる。レスポンスが特に良く、パンチのあるエンジンは軽い車体をどんどん走らせる。コントロールしやすいブレーキといい、車体の挙動を把握しやすいサスといい、足まわりも申し分ない。ボクのような素人ライダーでも、ひとたびワインディングに入れば、かなりのペースで走らせることができる。4発のスーパースポーツに乗っていて、後ろからこういうモデルにつつかれると、さぞかし嫌だろう。アッパーカウルのおかげで高速道路も難なくこなし、市街地をゆっくり走ってみても嫌にならない。戦闘力は十分ながら、どんなステージも苦手にしない。オールラウンダーな性格であることも発見できる。もしも、ロードスポーツモデルに乗る仲間たちが集まった過激なツーリングに参加したとしよう。SV1000Sなら、一般道、高速道路、ワインディング…、全行程で常に先頭集団から離されず走り続けられるだろう。そして、なおかつ楽しく走れそうだ。
愛車を売却して乗換しませんか?
2つの売却方法から選択可能!