

掲載日:2007年03月22日 試乗インプレ・レビュー
ノンビリ走って旨いモノを食べ、ゆったりとした気分で温泉にでも浸かる。そういうのが今どきの“オトナのバイクライフ”ってヤツなのかもしれないけど、それだけではボクは満たされない。やっぱり、バイクっていうのは“熱い”乗りものであるはず。そのスタイルを一目見て、セルを回した瞬間に、ある種の胸の高鳴りみたいなものを感じたいと思っている。大袈裟かもしれないけど、ヘタなことをすればお陀仏だ。そんな緊張感に包まれながら神経をライディングに集中させる。バイクとはそういうものなのだろう。
白×赤×青のトリコロールカラーが採用された限定モデル「CBR1000RR・スペシャル」はレーシングムード満点。いかにもスポーティな、まるで自信に満ち溢れているかのようなその戦闘的な面構えから、血統の確かな純粋なスーパースポーツであることをボクは理解できた。「よーし、一丁、走り込んでみるか」と、全身にみなぎる躍動感みたいなものが、ボクをすぐにその気にさせてくれる。どんよりと雲がたれ込む真冬の東京。フルフェイスヘルメットをかぶり、CBR1000RRで首都高に上がってみよう。
クラッチをつなげば、低速からトルクフルで非常にマイルド。ハイパワー&ハイスペックなバイクにありがちな神経質さがまったくない。アクセルの微妙な操作にもしっかり反応してくれ、思った通りに自由自在に操れる。ハンドリングは素直で、行きたい方向に簡単に向きが変わる。タイトコーナーでも恐怖心を持つことなく、どんどんアクセルを開けていくことができた。ひとことで言うならこのバイク、扱いやすいのだ。渋滞の環状線をレインボーブリッジから抜け出し、ボクは遠くに大きな海を見た。有明ジャンクションの右コーナーをムキになって走りたかったボクの期待通り、CBR1000RRは思いのまま走り抜ける。唸りを上げる直4エンジンを立ち上がりから引っ張れば、レッドゾーンの10,000回転までスムーズに吹け上がる。さっきまでの退屈な時間は、もうとっくに後方へ置き去りにしてしまった。久しぶりに感じる、“熱い”バイクだ!
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