掲載日:2018年05月24日 試乗インプレ・レビュー
取材・文/佐川 健太郎 写真/山家 健一 動画編集/山家健一 衣装協力/HYOD
R1などと同じクロスプレーン・コンセプトに基づき開発された水冷並列3気筒DOHC4バルブ845ccエンジンを搭載。コンパクトで慣性トルク変動が少なく、低速域から粘り強い高トルクとスムーズな高回転を両立。最高出力はSTDモデルと共通で2017モデルから116psへと向上している。
マス集中化を狙ったダウンセンター配置の3段膨張構造サイレンサーを一体成形した3into1式マフラーを採用。表面には劣化防止効果のあるナノ膜コーティング処理を施している。サイレンサーのデザインも従来モデルより洗練された。
フロントはφ298mmダブルディスクと4ポットキャリパーの組み合わせ、リヤはφ245mmディスクとピンスライド式キャリパーとし前後に焼結パッドを採用。良好な初期タッチとコントロール性に優れた制動力を実現。ABS標準装備。
KYB製スペシャル倒立フォークは左右両側のフォークトップにそれぞれプリロードと伸び側減衰調整機構を装備。下方のアクスル側には「高速」「低速」2つの圧側アジャスターを装備し、広範なセッティングに対応。
左側タンデムステップ後方に設置されたオーリンズ製リアショックのリモート式アジャスター。上段がプリロード調整用で、下段が別体式リザーバータンクに装備された圧側減衰力調整用。工具を使わずに素手で素早く調整できるタイプだ。
クラッチレバーを握らなくてもペダル操作だけでシフトアップ可能なクイック・シフト・システム(QSS)を標準装備。ペダルとフットレストは質感の高いアルミ鍛造製だ。ペダルのアーム中央から伸びたロッドがシフトアップ操作を感知する圧力センサーにつながっている。
2眼4灯タイプのLED式ヘッドライトを装備。下側の奥まった部分にLEDポジションランプを収めた立体的なデザインが印象的だ。車体をコンパクトに見せるため、ランプユニットはフロントフォークへ近づけてレイアウトされ、フォークとの間に空間を設けてフローティング風のデザインとすることで軽快感を演出。
後端部が絞り込まれスリム感を強調したタンク。MTシリーズ最上位モデルである「MT-10 SP」と共通イメージの黒とシルバーのツートンカラーを採用し、ペイントも同じ高輝度で質感の高いタイプとすることでSPとしてのプレミアム感を強調している。
クッション形状を作り込むことで優れたフィット性を実現。シートレザーも質感の異なる切り替えタイプとなっていて、上面には滑りにくい素材が使われている。ブルーのダブルステッチがSPらしいスポーツイメージを強調。
ライセンスプレート用ステーを兼ねたコンパクトなマッドガードを採用。スイングアーム先端にマウントすることでボディの凝縮感を強調しつつ、テールランプまわりはすっきりさせている。デザイン的には好みは分かれそうだ。
ボディに一体化したテールランプは上から見ると「M」の形状に見える遊び心も。レンズ内側の4本の導光体により、リアビューでもフローティング感を演出している。ちなみにリアフレーム後端部も従来モデルに比べて30mmショート化されている。
SP専用のLCDメーターを採用。黒ベースのパネルに白文字が浮かびあがるネガポジ反転の液晶を使用することで、より精悍なイメージとした。タコメーターはデジタルバー表示で、その他に平均燃費、水温、気温表示などに加え、左側にギアポジションインジケーター、右側にはECOインジケーターを配置。
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