掲載日:2012年04月25日 バイク購入ガイド 件のユーザーレビュー
文/田宮 徹
ドイツのBMWが手がけるGS(ゲレンデ・シュポルト)シリーズは、30年以上の歴史を持つビッグオフローダーのブランド。2012年現在、その頂点に君臨するのがR1200GS。そして、欧州では2008年、日本では翌年から販売が開始された上から2番目のモデルが、F800GSである。
エンジンは、ロードスポーツモデルのF800S/STから使用が開始された、オーストリアのロータックス社製が手がけた798cc水冷並列2気筒。同系エンジンを搭載する71馬力のF650GSとは、カムシャフトやECUなどが異なり、ひとまわりパワフル。85馬力を発揮する。この数字はF800STと同じだが、発生回転数は500回転低く、オフロードでの使用を考慮してやや低中回転域を重視した仕様になっていることがわかる。フレームはスチール製チューブラータイプ。BMWでは、独自のフロントフォーク機構を採用する機種も多いが、F800GSではオーソドックスなテレスコピック式を選択。さらに、アルミキャスト製のスイングアームは両持ち式で、後輪駆動はチェーン方式と、全体的に一般的なバイクと同じような設計が施されている。ホイールは、オフロード走行を意識してスポークタイプ。前後径は21/17インチをチョイスしている。ブレーキは、当然ながら前後ともディスク式で、フロントはダブルディスク式。工場オプションパーツで、上級版となるハイラインに標準装備されるABSは、ハンドルスイッチひとつでON/OFFが切り替えられる。なおハイラインはこの他にも、グリップヒーターやセンタースタンド、オンボードコンピューターを装備している。
ユーザーひとりひとりの好みに合う冒険ツアラー、もしくはビッグオフローダーへと仕上げられるように、ハイライン仕様の設定ばかりでなく、純正アクセサリーパーツが豊富なのも、F800GSの魅力。たとえばシートは、日本仕様は高さ850mmのローシートが標準装備品だが、このほかにシート高880~920mmまで3タイプのオプションを選択することができる。2012年春現在で、すでに発売から3年が経過し、数は少なめだが中古車の姿も見えるようになってきた。「本気でオフロードに連れ込む予定で、どうせキズだらけになるから中古車で」なんて選択も悪くない。もちろん、オフロードを一切走らなくても、GSブランドらしい魅力はたっぷり詰まっている。日本でも、もっと人気が出てよいと思える1台だ。
2011年型で新登場した、トライアンフらしい並列3気筒エンジンを搭載するアドベンチャーツアラー。ABS仕様も選択可能。打倒F800GSを公言するタフネスモデルだ。
アルミ製ツインスパーフレームに、排気量645ccの水冷90度Vツインエンジンを搭載。3段階可変式スクリーンや樹脂製リアキャリアを備えた、欧州向けモデルだ。
欧州で販売が続くミドルクラスの冒険ツアラー。1987年型の583ccから、2000年型で647cc、2008年型で680ccに排気量が拡大された、水冷Vツインエンジンを搭載している。
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