BMW Motorrad F650GS

掲載日:2012年04月18日 バイク購入ガイド        件のユーザーレビュー

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BMW Motorrad F650GS

ストリートでの性能を重視した
扱いやすいマルチパーパス

652cc単気筒エンジンを搭載していた従来型のF650GSが、並列2気筒エンジンを積む現行型へとフルモデルチェンジされたのは、2008年型でのことだ。BMWのGSといえば、アドベンチャーテイストいっぱいのシリーズとして知られてきたが、この現行型F650GSが目指したのは、市街地走行からツーリングまで、路面でいえばアスファルトからフラットダートまで、ライダーのレベルならエントリーユーザーからベテランライダーまで、とにかく幅広く楽しめる性能。GSという確立されたオフ系のブランドを名乗り、スタイリングにもオフロードテイストが多く導入されているが、タフで刺激的な性能よりも、フレンドリーな扱いやすさが優先されている。

エンジンは、同時期に発売されたよりオフロード指向のF800GSと同系。車名こそ従来型を踏襲する「650」だが、その水冷並列2気筒エンジンの排気量は798ccとなっている。ただし最高出力は、F800GSの85馬力に対して71馬力と控えめ。そのぶん、日常シーンで扱いやすいよう低中回転域を重視した仕様とされている。フレームは、鋼管パイプを組み合わせたチューブラースペース型。フロントフォークに一般的なバイクと同じテレスコピック式、後輪駆動にチェーン式を採用するのは、F800GSと同様だ。ただし車体は、F800GSと比べるとコンパクト。まずホイールは、F800GSが前後21/17インチ径のスポークタイプを装備するのに対し、よりオンロードを意識した前後19/17インチ径のキャストタイプ。そしてシート高は、F800GSが850mmあるのに対し、790mmに抑えられている。これらのことからも、F650GSがよりストリートでの扱いやすさを重視したモデルだということがわかるだろう。

しかし、「GS」を名乗る以上、まったくダートが走れない見掛け倒しのマルチパーパスというわけではない。確かに、ハードなオフロード走行には向かないが、河川敷や整備された林道のフラットダートくらいなら走破できるよう、前後サスペンションやボディは仕上げられている。基本的にはオンロードオンリーだが、ツーリング先でチャンスや必要があればオフロードへも。そんなユーザーに、F650GSはもっとも向くかもしれない。よりツーリング性能を求めるなら、ABS、グリップヒーター、センタースタンド、オンボードコンピューターが標準装備された、上級版のハイラインも選べる。数は少ないが、中古車も出回っている。オフロード走行をしている車両は少なく、極上車に出会えるだろう。一方で、新車で購入してもお買い得感がある価格設定だ。

BMW Motorrad F650GSのここがポイント!
  • ● 車格のわりには低めに設定されたシート高
  • ● 日常での使い勝手を優先させた設計
  • ● エントリーユーザーにも向く扱いやすさ

BMW Motorrad F650GSのライバルはこれだ!

  • スズキ
    V-ストローム650ABS

    アルミ製ツインスパーフレームに、排気量645ccの水冷90度Vツインエンジンを搭載。3段階可変式スクリーンや樹脂製リアキャリアを備えた、欧州向けモデルだ。

  • BMW
    F800GS

    オフロード走行を強く意識したミドルアドベンチャー。排気量798ccの水冷並列2気筒エンジンを、トラス構造の鋼管フレームに搭載。前後輪は21/17インチ径だ。

  • ホンダ
    XL700Vトランザルプ

    欧州で販売が続くミドルクラスの冒険ツアラー。1987年型の583ccから、2000年型で647cc、2008年型で680ccに排気量が拡大された、水冷Vツインエンジンを搭載している。

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