掲載日:2012年02月29日 バイク購入ガイド 件のユーザーレビュー
文/淺倉 恵介
TDM900 は「キング・オブ・マウンテンロード」をコンセプトとする、ヤマハのクロスオーバースポーツです。モデルのルーツは1991年にリリースされた TDM850 で、ヤマハのビッグオフローダー XTZ750 スーパーテネレのエンジンを排気量 850cc に拡大し、スチール製のデルタボックスフレームに搭載したロードスポーツです。オフロードバイク的なルックスとアップライトなポジションを持ち、鋭いコーナリング性能とロングツーリングでの快適性、日常使用での利便性を確保した、万能ロードスポーツとして高い評価を受けた名車です。現在、ヨーロッパで人気の高いクロスオーバースポーツやアルプスローダーと呼ばれるジャンルの先駆けともなったマシンです。TDM850 は1996年に大規模なモデルチェンジが行われており、2002年にデビューした現行モデルの TDM900 は、TDM シリーズとしては3世代目にあたります。
総排気量897ccのパラレルツインエンジンは、DOHC5バルブメカニズムを採用。1気筒あたり吸気バルブ3、排気バルブ2を備える5バルブは、ヤマハが磨き上げてきた4ストロークテクノロジーの象徴ともいえる技術です。また、クランクはトラクション性能に優れる、変則的な270度クランク使用しています。吸気システムは FJR1300 と同様のφ38mm スロットルボディを使用した電子制御式インジェクション。回転数に応じてダクト面積を変更する、吸気ダクト可変方式も組み合わされ、急なスロットル開閉時にも最適な吸入空気量を確保しています。最高出力は 86PS で、最大トルクは 9.1kgf-m。クロスオーバースポーツに適した中低速域のリニアリティと、高回転域の痛快なパワーフィーリングを両立したエンジンキャラクターが持たされているのです。
フレームはアルミ製のダイヤモンド型。部分的に中空鋳造材を使用、エンジンマウントにリジッド式を採用して軽量化を追求。「目の字」断面アルミ押し出し材を使用したスイングアームや、YZF-R1 タイプのピギーバック付きリアショックユニットなど、グレードの高い足周りも与えられ、TDM らしい鋭いハンドリングは健在です。小型ながらウインドプロテクションの高いアッパーカウルには、大型の2連マルチリフレクターヘッドライトを装備。アクの強いアピアランスと実用性が同居しているのは TDM のキャラクターそのものだといえるでしょう。2008年からは ABS 付きモデルの TDM900A もラインナップに加わりました。選択肢が増え、さらに魅力が増した TDM900 なのです。
新型の水冷2バルブエンジンを搭載したツーリングスポーツ。電子制御サスペンションやライド・バイ・ワイヤ、トラクションコントロールなど、最新テクノロジーが満載。
ZX-10R系の4気筒エンジンを搭載、トラクションコントロールも標準装備。タンデムやロングツーリング時の荷物を考慮して、220kgという大きな積載量を確保。
アルミツインスパーフレームにTL1000系水冷Vツインエンジンを搭載。余裕あるライディングポジションと長めのサスペンションストロークが、高い走破性と快適な乗り心地を実現。
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