掲載日:2011年12月21日 バイク購入ガイド 件のユーザーレビュー
文/淺倉 恵介
ZX-10R はサーキット最速を目指したリッタースーパースポーツです。2011年にデリバリーが開始された現行モデルは、2004年に登場した初代モデルから数えて4世代目となります。先代モデルまでの ZX-10R は、レースでの戦闘力を追求したためか「速いけれど難しい」というマニアックな面が強いバイクでしたが、現行モデルは少し性格が変わり「速く、その上で乗り手に優しい」取っ付きの良いキャラクターに変わってきています。
エンジンは、ヨーロッパ仕様のフルスペックでは最高出力 200ps を発揮するというモンスターですが、その暴力的なハイパワーを制御するためパワーマネジメントに電子デバイスを多く取り入れているのも ZX-10R の特色のひとつです。「バリアブル・パワーモード」と名付けられた出力特性選択システムは、「フル」、「ミドル」、「ロー」の特性の異なる3種類の出力モードを、走行条件やライダーの好みに合わせて選択可能。「S-KTRC」と呼ばれるトラクションコントロールシステムも装備していますが、これは単純にオーバーパワーによるスリップを防止するだけでなく、マシンを効率良く前に進めるためにリアタイヤのスリップ率を最適化することを考慮した先進的なシステムです。また、スーパースポーツには珍しく ABS 仕様車が用意されているのもポイントでしょう。こうした電子制御サポートデバイスを駆使することで、200ps という高出力を誰もが楽しめるものへと調教しているのです。
車体も大きな進化を遂げています。先代モデルまでは、フレームがエンジンを吊り下げているような形状でしたが、フレームのメンバーがエンジンを左右から抱え込むような形状に変更されました。同時にエンジンの搭載位置が上げられ、車体の重心が高くなったことで運動性が向上しています。ショックユニットとリンクを、スイングアーム上方に寝かせて配置した “ホリゾンタルバックリンクリアサスペンション” は、マスの集中化にも貢献しています。フロントフォークにはビック・ピストン・フロントフォークを採用するなど、最新テクノロジーが惜しみなく注ぎ込まれた1台です。
BMW初の本格的スーパースポーツとして話題を呼んだ1台。トラクションコントロールシステムやABSなど、電子制御デバイスの完成度の高さが高い評価を得ている。
元祖リッタースーパースポーツCBR900RRの流れを汲むホンダの最速マシン。国内仕様が用意されており、入手のしやすさとアフターフォローが充実しているのもポイント。
スズキのスポーツバイクGSX-Rシリーズのトップモデル。選択式出力モードの先駆け「S-DMS」は更に熟成され、モード切替時にもフィーリングの違和感は軽減されている。
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