掲載日:2009年06月19日 バイク購入ガイド 件のユーザーレビュー
1989年に登場し、当時隆盛を極めていたレーサーレプリカの時代に幕を引くきっかけともなったと言われているカワサキの名車ゼファー。そして、そのゼファーが1996年にフルモデルチェンジを果し、新型として登場したのがゼファーχ(カイ)です。
新型とはいっても、外観はほぼ先代モデルを踏襲したものでした。それもそのはずで、開発スタッフいわく「このイメージを変えないことがもっとも苦労した点」だったそうです。その言葉を裏付けるかのように、ディティールにおいては細かな変更点があるものの、ちょっと見ただけでは区別がつかないほど先代モデルと瓜二つ。しいて言えば、シートやシートカウルの形状がシャープになり、リアサスペンションユニットのリザーバータンクのフィンが省かれたことぐらいが外観上の違いでした。
しかし、ほとんど変更点がない外観に対して、その中身は大きく進化したものとなっていました。パワーユニットは先代の2バルブから4バルブ化され、燃焼室形状も変更。ピストンの軽量化やクランクシャフトの新造、スロットルポジションセンサー付きキャブレターの採用など、全面改良といっても過言ではない変更内容っだったのです。この結果、デビュー当初から「非力」と評されていたエンジンは最高出力が46馬力から53馬力に、最大トルクが3.1kgmから3.6kgmへと大幅に向上。腰の強いサスペンションや、GPZ1100と同じ対向4ポットキャリパーなどを得て、次の時代を生き抜く準備を整えたのでした。現在、中古車市場に玉数は豊富ですが、良質な個体は動きが速いようです。希望するのであれば早めの決断が不可欠と言えるでしょう。
ロングセラーのゼファーχだが、その登場以来年式による変更点はカラーチェンジが中心。デビュー後6年を経た2002年モデルであっても、1996年に登場した初期モデルとの間に大きな違いは見受けられません。カラーバリエーションは、ルミナスウインザーグリーン(GRN)、メタリックチェスナットブラウン(BRN)、エボニー (GLD)。
ゼファーχにしては珍しく機能的な変更が加えられたのが2003年モデル。フロントブレーキのキャリパーをφ33.9+φ30.2の異径対向4ポットとして制動力を向上。騒音規制対応のためサイレンサーの内部構造も変更されました。カラーはソリッドカラーのパールミスティックブラックを新設定。
残念ながら、多くのモデル同様ゼファーχも2008モデルで生産終了。最終バージョンでは、各種外装パーツに特別塗装を施したほか、キメの細かい上質なシートレザー、高級感のあるゴールドのエンブレムなどを採用。これらの特別装備が与えられたファイナルエディションは中古車市場でも大人気です。
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