MVアグスタ ブルターレ990R

掲載日:2013年02月27日 バイク購入ガイド        件のユーザーレビュー

文/淺倉 恵介

MVアグスタ ブルターレ990Rの画像
MV AGUSTA BRUTALE 990R

『ブルターレ』シリーズの中ではスタンダードモデル的な存在
排気量998ccのエンジンはストリートをターゲットにチューニング

MVアグスタのネイキッドスポーツラインであるブルターレシリーズの中で、主軸モデルと位置付けられているのが『ブルターレ990R』です。最強スペックを誇るブルターレ1090RRと、エントリーモデル的存在のブルターレ920の間を埋めるようなストリートでスポーツランを楽しむために最適なチューニングが施された、バランスに優れたモデルです。

ブルターレ990Rに搭載されるエンジンの排気量は998cc。先代モデルに当たるブルターレ989Rの排気量は982.3ccでしたから、その差はわずかに16ccばかり。ですが、エンジンのキャラクターを決定づける重要なファクターである、ボア×ストロークが大きく異なります。989Rではφ79×50.1mmであったものが、990Rではφ76×55mmへと変更。相対的にロングストローク化されたのです。これは、MVアグスタの最強エンジンである、コルサ・コルタがショートストロークの高回転型エンジンであるのと対照的な改変です。この辺りからも、ブルターレ990Rがストリートに最適な1台であるとする、MVアグスタの思想を感じ取ることができます。出力マップは『SPORT』と『NORMAL』のデュアルモードで、走りのシチュエーションに合わせたパワー特性を選択することが可能で、8段階の調整機能を持つトラクションコントロールシステムも備えています。

フレームはMVアグスタ伝統のクロムモリブデンパイプ製のトレリスフレーム。様々な径や肉厚のパイプを組み合わせることで、剛性バランスを調整しやすく“しなやかで粘り強い”乗り味を実現出来るフレームです。しかし生産性が低く製造コストも高いのが難点。それでも、MVアグスタは頑にこのフレームを使用し続けています。性能が高く、見た目も美しいトレリスフレームは、MVアグスタの象徴的存在と言えるでしょう。

フロントフォークはマルゾッキ製のフルアジャスタブル、リアショックユニットはザックス製のフルアジャスタブルです。フロントブレーキにはブレンボ製のラジアルマウントモノッブロックキャリパーを奢るなど、シャシーのパーツもMVアグスタらしいハイエンドなパーツが採用されているのです。

ブルターレのインスツルメンツパネルは、アナログ式のタコメーターと、デジタル表示の多機能パネルとのコンビネーションタイプ。多機能パネルにはスピードメーターの他、水温計や出力特性マップ、トラクションコントロールの情報などを表示。LED式のシフトライトも装備しています。また、インスツルメンツパネルのハーネスにはCANラインシステムを採用しています。信号をデジタル化することで、線数を減らした上で大量の情報を処理できるCANは、4輪では一般的となっているシステムですが、バイクへの搭載はまだ珍しいのが現状です。新しい技術に貪欲にチャレンジしていく姿勢は、最先端のモーターサイクルであろうとする、MVアグスタの矜持なのでしょう。

MVアグスタ ブルターレ990Rのここがポイント!
  • ● パフォーマンスと乗りやすさを両立した専用エンジン
  • ● 出力マップはデュアルモードを採用してトラクションコントロールシステムも装備
  • ● ブリンカービルトイン・リアビューミラーなどハイセンスな造形美

MVアグスタ ブルターレ990Rのライバルはこれだ!

  • カワサキ
    Z1000

    カワサキのストリートファイター。2010年に行われたフルモデルチェンジで、新設計エンジンとツインスパータイプアルミフレームを採用。より刺激的な走行性能を手に入れている。

  • ヤマハ
    FZ1

    スーパースポーツYZF-R1譲りのエンジンを搭載するスポーツネイキッド。優れたハンドリングを支えるフレームとスイングアームは、ヤマハの独自技術CFアルミダイキャスト製。

  • アプリリア
    トゥオーノ V4R aprc

    アプリリアのスーパーバイクRSV4と基本コンポーネンツを共有。フレームは専用品でエンジンもトゥオーノ専用にチューニング。先進のライディング補助デバイス『aprc』を搭載。

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