【Page3】存在感の大きさとスポーティさの調和

掲載日:2009年12月11日 特集記事AMAスーバーバイクの輝きを再び! Z1000 R&J    

記事提供/2009年8月1日発行 月刊ロードライダー 8月号
Report/和歌山利宏 Photo/鶴見 健

存在感の大きさとスポーティさの調和

ニンジャ('84年)登場以前のカワサキフラッグシップであったZ。その後期型となるZ1000Jは、今も多くの人たちに愛され、現役で活躍している。今回乗った2台のJ系モデルには、バイク本来の醍醐味と実用性が感じられた。

 

Z1系からJ系へと引き継がれたスポーツ性

ひと口に“Z”系と呼ばれ、今日のカワサキを築いた初代インライフォアモデルには、'73年型のZ1に端を発し、MkⅡへと引き継がれていったZ1系と、ここで特集する、'81年登場のZ1000(J)以降のJ系のふたつに、大きく分類できる。

 

J系も空冷DOHC2バルブであることは同じで、Z1系からの発展型である。しかし、両車の間にははっきりとした背景と、それにともなう車両性格の違いが見られる。

 

Z1は当時の次世代重量車として、またジェントルなCB750に対峙するハンドリングマシンとして生まれた。だが、'70年代終盤には各社からライバルとなるリッターバイクが登場、Z1にはテコ入れが必要になってきた。さらに、リッターマシンでのレースも行われるようになり、ポテンシャルアップが望まれ、登場したのがZ1000(J)だったのだ。

 

排気量はレースレギュレーションに合わせて、1015ccだったMkⅡに対し、ボアを0.6mm小さいφ69.4mmとして998ccにダウン。クランクジャーナルの大径化、バルブのインナーシム化、クラッチの強化も含め、全面的にリファインされ、フレームもパイプワークを高剛性化したものに新作された。

 

そうした改良を受けたJ系がいかなるものか、J系への経緯を考えれば明らかというもので、今日乗ってもそのことを実感できる。骨太感による存在感があり、スポーティにマシンと格闘することができるのだ。

 

個人的は、フレームが伝統的なフェザーベッドタイプに近いZ1系のほうが、ポテンシャルこそ低くても、ハンドリングに官能的な面白さがあったと思う。でもJ系は、昔のバイクの良さを持った現行車として、現在においても楽しむことができる存在だと思えてならない。

 

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索