掲載日:2022年12月23日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
1980年代中盤、ヤマハのジョグやチャンプ、ホンダのDJ・1などスポーツスクーターが人気になっていた。そんな状況をじっと見ていたスズキは、満を期して1985年7月、直線的フォルムに強制空冷ファンをダブルで装備した「カーナ」をリリース。さらに同年12月には、今回紹介するハイパースクーター「ハイ(Hi)」をデビューさせた。
ハイはファッショナブルでスポーティーな個性派スクーターというところがウリ。特にエッジの効いた2トーンカラーは印象的、イラストに描いたブラック&ピンクのほか、ブラック&イエロー、ホワイト&ピンク、ホワイト&パステルグリーンの4カラーがあった。ブラック&ピンクはかなり振り切ったカラーリングだと思うんだけど、それだけ当時の日本は勢いがあったということ。さらに面白いのはイメージキャラクターが「明石家さんま」さんで、キャッチコピーは「生まれたときから調子いい」。いい時代でした。
その後、パーソンズ、ウォルターウルフ、コナウィンズなど人気ブランドのデザインが限定で発売されたり、87年にはフロントブリスターフェンダーやフロントカウル、アンダーカウル、リヤスポイラーなどのエアロパーツを装着した「ハイR」が登場。88年には、ハイパワーながら落ち着いたデザインの「ハイアップ」、エアロパーツに油圧式フロントディスクブレーキに偏平チューブレスタイヤを履いた「ハイアップR」が出るなど、乗り心地と走行性能をハイペースで進化させた。
その走行力の高さからスクーターレースで大活躍したスズキのハイ。そのスポーツスクーターのエッセンスはセピアへ引き継がれていった。
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