掲載日:2022年02月04日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
60年代末、日本では二輪モータースポーツの人気が一気に高まった。ロードレース、モトクロスに続いて、火が付いたのがトライアル。1973年にはMFJ主催の第1回全日本トライアル選手権がスタート、全国各地で熱戦が繰り広げられた。
ヤマハの契約ライダー、ミック・アンドリュースが戦っていたのがワークストライアラーTZY250! 本格的トライアルモデルに保安部品を付けて、公道を走れるようにしたTY250で、その最新スタイリングと性能の高さから大人気となった。派出して生まれたのがTYシリーズ。TY125、TY80、TY50が次々登場した。
4兄弟の末っ子がTY50。MR50のエンジンをベースに、中低速を重視した特性にデチェーン。幅広ハンドルと切れ角の大きさは、まさにトライアル。ダブルクレードルフレームの車体に前18インチ、後16インチの大径タイヤを装着。5段階調節式リアショックなど、上級モデルにも劣らない性能を誇った。
充実した内容から、トライアル入門用や林道ツーリング、またリアキャリアを標準装備しているためロングツーリングや日常の足としても活躍。トレンドと実用性を兼ね備えたマルチパーパスなYT50は大人気に!
ちなみにTY50のイメージキャラクターとしてデビュー間もない小堺一機を採用。当時のカタログには「コメディアンでいえば、小堺一機。バイクでいえばYAMAHA TY50」と書かれていた。50ccのトライアルモデル、そのイメージキャラクターに芸能人……。古き良き70年代の日本を感じる1台なのである。
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