掲載日:2022年01月07日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
4ストを主力にしていたホンダが70年代の終わり、2ストのオフロードスポーツバイク、MT50を発売した。バランサーを内蔵したパワフルなエンジン、悪路に強い大径ホイール&ロングストロークサスペンションなど、オフロードを本気で攻められる原付バイクとして若者から高い支持を得た。
MT50の進化版として1982年に登場したのがMTX50だ。中・低速域で力強い出力を発揮する「H・E・R・P(ホンダトルク増幅共鳴管)」を装備した2ストエンジンを搭載。足回りにはストーローク幅を大きく取れるプロリンクサスペンションを採用。本格的なオフロード走行を実現させるためタイヤサイズは、フロント21インチ、リア18インチと250ccクラス並みになった。加えて、路面の状況に応じてライディングポジションが変えられるロングシートを装着したり、衝撃に高い剛性を保つセミダブルクレードルフレームを採用するなど原付のイメージを覆す、超本格オフロード車に変貌を遂げた。
そんなMTXの集大成、最終モデルがMTX50R。エンジンはついに水冷化を実現! 冷却性能は一気に向上した。さらに1985年モデルのトランスミッションは6速にアップデート。そして!エンジンパワーは原付バイクの自主規制最高値である7.2馬力にまでアップ。まさに怖いものなし、最強のオフロードバイクとなった。
MTX50Rは林道ツーリングや山遊び入門、モトクロスのビギナーバイクとしてはもちろん、街乗りを楽しむバイクとして大人気に。1985年モデルが最後となったMTX50R、そのエッセンスはCRMへと引き継がれていった。
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