掲載日:2021年05月07日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
個性豊かなモデル揃うホンダの原付バイクの中でも、特に強力な存在感を放つ1台がある。ドリーム50だ。
1962年、世界GPに50ccクラスが新設(現在は廃止)。ほとんどのメーカーがパワーの出る2ストのマシンで参戦したが、ホンダはあえて4ストの「ホンダ CR110 カブレーシング」を送り込んだ。その後、世界各地のレースで活躍、伝説のバイクとなった。
時は流れ1995年。この年の東京モーターショーで参考出品されたドリーム50は、ロングフューエルタンクにシートストッパー付きシート。そのスタイリングはまさに、伝説のホンダ CR110 カブレーシングそのものだった。10代の若者から50代の大人まで、幅広い層で話題となった。そして1997年2月、満を持して発売された。
紹介したい特徴と魅力はたくさんあるが、その一番は何と言ってもエンジンだろう。量産型としては世界最小サイズ、空冷4スト、DOHC、4バルブ、50cc単気筒エンジン。1万回転以上の高回転までストレスなく吹け上がるエンジンは、とにかく超精密で高性能。ちなみに、シリンダーへッドのカバーはその形状から「ミッキーマウス」と呼ばれていた。
さらに左右に突き出したクロームメッキ仕上げのメガフォンマフラー。軽量かつ剛性の高いダイヤモンド型フレーム、前後に油圧式ディスクブレーキ、クリップオンタイプハンドルなどなど、その内容はまさにドリーム級。4ストにこだわったホンダが生み出した、正真正銘の原付の名車なのである。
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