掲載日:2021年02月19日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
70年代、スズキには50㏄オフロードバイクの代表ハスラー50があった。1971年に発売されて以来このクラスでは人気の定番バイクだった。
当時(いまもそうかな?)は必ず他メーカーにライバル車がいて、売り上げ台数を追いつけ追い越せ、という販売争いをしていた。そう考えると当時のハスラー50のライバルはヤマハのMR50になるのだろう。
その頃、原付のオフロード車にはもうひとつ、タイヤ径の小さいミニモデルがあり、ヤマハのGT50ミニトレが大人気だった。その対抗馬としてスズキが作ったのが今回紹介するミニクロ。どこかの衣料品店名と1文字違いですね(笑)。
ヤマハがミニバイク+トレール車(トライアル?)=「ミニトレ」なら、スズキはミニバイク+モトクロッサー=「ミニクロ」という感じ? とてもわかりやすいです。
当時はミニバイクレースが盛んで、ミニトレがとても強かったらしい。そんな常勝ミニトレに打ち勝つためにスズキがミニクロを作ったのです。ベースは子供用のモトクロッサーTM75。ハスラー譲りのパワフルなロータリーバルブエンジンを響かせ、2台がデッドヒートしながらトップを争う、そんなシーンが目に浮かびます。それにしてもミニバイクでレースとは、パワーのある時代だったんだなぁ。
さらに2年後の77年にはロードスポーツRG50系のエンジンを載せたミニタン50が登場。さらにチョッパースタイルのマメタン50も生まれた。他にもバンバン50があったり、スズキの50㏄黄金時代を彩った1台といえるでしょう。
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