掲載日:2020年08月07日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
1990年代に入ると原付クラスは、面倒なクラッチ操作もなく、ギアチェンジもない、荷物もシート下に入れられる、簡単で便利に使えるスクーターが中心になっていた。さらにそのスクーターも、主婦向けから、スピードの出るスポーティなモデルまで細分化、目的に合わせた様々な種類がラインナップされるようになった。
1997年、そんな時代に突然現れたのがスズキのストリートマジックだった。跨って走れるスポーツバイクスタイルなのに、パワーユニットはスクーターという、ニュースタイルのバイクが登場したのだ。スクーターと違ってタイヤ系が大きく、さらにニーグリップができるためハンドル操作や体重移動が安定、それなのに煩わしいギアチェンジやクラッチワークは必要なし。まさに両方のいいとこ取りのバイクだった。
実は載せていたエンジンもなかなかパワフルで、空冷2スト単気筒エンジンなのだが、メーカー自主規制値の7.2馬力を発揮。他のスポーツバイクと遜色のない走りを見せていたという。
美しい曲線を描くチャンバーのアップマフラー、シャープで細身のガソリンタンク、個性的なフレームワークなど、デザインの個性も光っている。スタイルとポジションはオフロード的なのに、タイヤはロード系でフロントはダウンマフラー…… あれ?これはもしかして、モタード?(笑)。とにかく何もかもがクロスオーバーな「ストマジ」。20年以上前に発売されたバイクなのに、いま見ても面白い。乗ったらきっとさらに面白い、人にいろんな魔法にかけてしまうバイクなのである。
愛車を売却して乗換しませんか?
2つの売却方法から選択可能!