レトロバイク・グラフティ第38回 HONDA ROADFOX(ホンダ ロードフォックス) 1984年

掲載日:2020年08月21日 レトロバイク・グラフティ    

イラスト・文/藤原かんいち

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見ているだけで人を笑顔にする個性的スリーター

原付バイクが元気だった80年代は、各メーカーが今では信じられないくらい個性的で、遊び心の溢れるバイクを作っていた。そんな時代が生んだ副産物がロードフォックス。知らない人が見たら「ホンダがこんなバイク作っていたの!?」「えっ?これカスタムバイクじゃないの!?」と、驚きの声を上げるだろう。

ホンダは81年から新しいカテゴリーの前1輪・後2輪のスクーター「スリーター」(スイング機構をもち2輪車の軽快性と4輪車の快適性を合わせもつ乗りもの)を開発販売。ストリーム、ジャイロX、ジョイ、ジャストと次々に発表。第5弾として発売されたのがロードフォックスだった。

スリーターだがこれまでの4台より、さらに攻めたスタイルになっている。最初に目を引くのはスリーター初のバイブ構成のパラレルフレーム。さらにアメリカンのように高く手前に引かれたアップハンドル、背もたれの付きシート、タイヤの上に伸びたチャンバータイプマフラー、ワイドな後輪などなど個性の塊だ。とにかく一度見たら忘れられない、常識外れのバイクなのだ。

僕はレトロバイクの絵を描きながら「このバイクで旅をしたらどんな感じかなぁ……」と妄想をするのだが、ロードフォックスで旅している姿を想像すると、夢が無限に膨らむ。アメリカを走ったらハーレー野郎の目を釘付けだし、アフリカを走れば子供たちが大喜びで追いかけてくるだろう。いまの時代が忘れてしまった、夢、喜び、好奇心、ハッピーがたくさん詰まっているのがロードフォックスなのである。

ホンダ ロードフォックス スペック
  • ■サイズ/全長 1595mm×全幅 605mm×全高 915mm ■車重/63kg ■エンジン/2ストローク単気筒 ■排気量/49cc ■最高出力 4.0ps/6000rpm ■最大トルク/0.49kgf・m/6000rpm ■変速機形式/湿式・単板・遠心・自動変速

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