掲載日:2019年11月22日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
2003年から2007年まで発売していたので“レトロ”というほど古くないかもしれないが、どうしても描きたかったのがスズキのチョイノリ。
どんなバイクか紹介すると、まず低価格。2003年に発売された時の値段がナナナント59,800円! バイクの値段とは思えない低価格を実現させたのは、新開発エンジン、コンパクト化、軽量化、部品の総数を減らすなど様々なコストカット。使用するボルトの数も半分近くまで減らしたというから驚く。
外観も面白い。丸いフロントカバーの真ん中に丸ライト、上部の左右に耳のようなウインカー、小動物のような可愛さがある。
装備は超シンプル。スクーターの定番となっている、シート下にあるはずのヘルメットインスペースはなく、ガソリンタンクがむき出し。さらにリアはサスペンションもない(分厚いシートがサス代わり)という、思い切りの良さ。もちろん燃料計も、セルスターターも、サイドスタンドも、荷物を載せるキャリアやカゴもない。必要最小限をひとつの形にしたのがチョイノリ。
“チョイノリ”という名前も斬新だ。通勤や通学、買い物など近距離の移動など、「ちょっと乗るだけ用のバイク」だからチョイノリ。ちなみに、このわかりやすい名前を付けたのはスズキ会長だという。
ここまで的を絞ったバイクは他にはないだろう。ある意味、日本のバイクの歴史に名を残す一台なのである。
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