掲載日:2025年05月09日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
80年代、ホンダではV型エンジンのVT250Fで人気を博していた。一方、4スト4気筒いわゆるクオーターマルチの待望論もあった。その声に最初に応えたのがスズキで、1983年クラス初の水冷DOHC4気筒を搭載するGS250FWをリリース。1985年にはヤマハがFZ250フェザーを販売、クオーターマルチの支持は高まっていった。
そんな状況を見ていたホンダがついに動いた。1986年、ホンダの250㏄としては初となるマルチモデル、CBR250Fを発売したのだ。アルミツインチューブフレームにフロントダブルディスクブレーキなど作りこんだ内容だったが、市場の反応はイマイチ、残念ながらライバルを越えることはできなかった。しかし当時はバイクブームど真ん中。活気あるメーカーは、追加モデルやモデルチャンジも速かった。翌年、ホンダは大逆転を託してCBR250Rを投入した。
注目されるのがフレームがほとんど隠れるほどフルカバードされたフェアリング。空力特性が優れていた上に、小物入れまで付いていた。さらにハンドルはセパレート、シートもシングルシート風に分離されるなど、かなりスポーティになっていた。エンジンは水冷4スト4バルブ、ツインカム4気筒。最高出力は45PS、18,000回転からレッドゾーンになる高回転型。後輪に軽量・高剛性のアルミ製リアフォーク、ステップまわりにもジュラルミン製のペダルを採用するなど高級感も備えていた。完成度の高さからグングン人気が上昇、ライバルたちを抜き去りトップへ躍り出ると、年間販売台数二万台を超える大ヒットモデルになった。
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