掲載日:2025年02月07日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
80年代中盤はレーサーレプリカブームだったが、自分らしさやシンプルさ求めるライダーも一定数存在していて、シングルバイクも人気があった。1983年にホンダからCBX250RS とGB250クラブマン。1984年にはヤマハからSRX250F、1985年にはカワサキからCS250がデビューするなど、活気づいていた。最後に残っていたのがスズキで、1986年にシングルバイクNZ250/Sをついにリリースした。
コンセプトはクラシックではなくアーバンな景色が似合いそうなカジュアルスタイル。軽快さを前面に押し出したシングルスポーツだった。エンジンかなりハイスペックで、燃料効率の高い『TSCC』や油冷システム『SACS』を採用したDOHC4バルブシングルエンジン。さらに軽快な機動性を実現するため『NSAキャブレター』を装着。リアサスペンションも最新のモノサス『Eフローター』にするなど、スズキの最新テクノロジーが随所に盛り込まれていた。
また角目ライト&ハーフカウルの別バージョンNZ250Sを用意するなど、幅広い層の希望にも応えていた。乾燥重量は118kgと超ライト。軽快な走りを実現していた。ハイスペックでアーバンがコンセプトなのに、なぜかホイールだけはクラシックなスポークタイプ。このアンバランスさがネックになったのか、それともうまく魅力が伝わらなかったのか、それとも世間が「結局、シングルエンジンならクラシックスタイルでしょ」となってしまったのかわからないが、残念ながらあまり売れず。モデルチェンジをすることもなく消えて行ってしまった。
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