掲載日:2024年11月22日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
『レプリカブーム』などバイク業界には過去様々なブームがあった。80年代半ば、400ccクラスで起きた『4気筒ブーム』が250㏄クラスにも押し寄せてきた。ユーザーの期待に応えるようにスズキがGS250FWを発売。大きな話題を呼んだが、それ以上に大きなインパクトを与えたのがヤマハFZ250フェーザーだった。
ヤマハが作った250㏄並列4気筒というだけでも十分に新しいのだが、エンジン性能、走破能力、スタリングなど全てが異次元だった。最高出力は当時のトップ、2ストのレーサーレプリカ勢と同じ45馬力(14.500rpm)を発揮。ヤマハ初の水冷DOHC4バルブ並列4気筒エンジンは、前傾45度と大きく傾いているのが特徴でレッドゾーンは、なんと! 驚きの17,000rpm! 超高回転型エンジンだった。多くのライダーがジェット機のような高周波排気音に酔いしれたという。
もう一つの魅力がスタイリング。ヘッドライト、スクリーン、ガソリンタンクが一体化したカウル。そこからサイドカバー、リアカウルへと流れるようなエアロフォルムはまさに近未来スタイル。そんなフェーザーを生み出したのはヤマハの“GENESIS思想”で、ヤマハの若手エンジニアたちのチャレンジスピリットであった。
おしゃれなデザイン、コーナーリングの安定性、扱いやすいエンジンなどから女性からの人気も高かった。2スト全盛の時代に大ブレイクを果たしたフェーザー。後継車のFZR250が販売されたため、僅か2年で消えてしまったが、ヤマハの歴史を語る上で欠かせない一台となっている。
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