掲載日:2024年01月26日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
ハイスピードで最新テクノロジーのレーサーレプリカが、絶対的な人気を誇っていた時代。ホンダのベテランエンジニアたちが「自分たちが乗りたくなるバイクを作ろう!」と企画、開発されたのがGB250クラブマンだった。
フォークブーツに一文字ハンドル、60年代のレーサーを彷彿されるスタイリングのクラブマン。各部の素材や仕上がりにこだわりが詰まっていたものの……当時の250㏄スポーツの購入者の中心は若者、時代を逆行するような古いスタイルのGB250が支持を得られるのか? 開発中の社内での評価は千差万別だった。
ところが発売された途端、その不安は一掃された。速さを求めないベテランライダーはもちろん、ビギナーや女性からも「クラシックなスタイルがかっこいい!」「硬派なバイク」と高評価、幅広い層から支持を得たのだ。
ちなみにエンジンはCBX250RSと同じRFCV を採用したDOHC4バルブ単気筒を搭載。セッティングとマフラーによって小気味よい排気音と心地いい振動を実現していた。各部の造りは凝っていたが、基本的なところをシンプルにすることで、ユーザーのカスタマイズを可能にしていた。アクセサリーも豊富で、オプションのシングルシートカバーやニーグリップラバーなどは人気が高かった。
1987年にモデルチェンジ、一本出しマフラーに大径キャブを採用することでシングルならではのトルク感を強調。エンジンの塗装やメッキの質もUPした。その後もバージョンアップを繰り返し、1997年まで継続販売。ホンダ屈指のロングセラーとなった。
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