掲載日:2023年06月23日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
ヤマハはDT-1によって日本にオフロードバイクブームを巻き起こした。ホンダにもCL72というオフロード系のバイクはあったが、オンロード車をベースにして作ったスクランブラーモデルだったので、ダートの走破性はあまり高くなかった。
4ストのままCL72を進化させSL250Sを作った。4ストの欠点のひとつが重いこと、そこでエンジンは単気筒に、前後アルミリム、マグネシウムのクランクケースなどで軽量化。それでも軽量かつパワーのある2スト勢の牙城を崩すことはできなかった。
続けて1975年にXL250をリリース。ホンダはお家芸である4ストで、オフロードモデルをという信念を貫き続けた。そしてついに!たどり着いた答えが! 今回紹介するXL250S(1978年発売)だった。
新設計の空冷4スト単気筒OHC4バルブエンジンは、高速はもちろん、低速での長時間走行を可能にする優れた冷却性を持っていた。幅広いパワーバンド、粘り強さなどは4ストならではの強み。また軽い踏力でもスタートできる、キック・ペダル連動デコンプ機構。ミッション・シャフトを兼ねた2軸式バランサーでエンジン振動を軽減するなど、ホンダの最新の技術を惜しみなく投入した。
欠点となっていた車重も乾燥重量119kgと4ストとは思えないほど軽くなった。またフロントに大型23インチホイール、さらに長いサスペンションストロークを採用することで、地上最低高255mmを確保。悪路の走破性も格段にアップした。その後、XL250Sの人気は爆発、林道ブームを起こすほど大ヒットとなった。
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