掲載日:2023年05月12日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
1956年、スズキは初めて250㏄のバイク、コレダ250TTを発売した。2サイクル2気筒エンジン積んだモデルで、Tシリーズはその後TP、TM、TA、TB、T10……と、モデルチェンジを重ねながら機能性とエンジン性能などを向上させていった。
コレダ250TT登場から9年、1965年には世界一速い250㏄バイクを目標にしたモデル、コレダ250T20をリリース。250ccで初めて100mph(160km/h)をマーク。さらに連続24時間120km/h以上のスピードでアメリカのハイウェイを完走、Tシリーズはスズキを代表するモデルとなり、T350やT500など大排気量もリリースされた。
そんなTシリーズの250ccを引き継いのがGT250だった。250cc 2サイクル2気筒CCIエンジン、6ポート方式にすることで排気効率を大幅に向上。さらにエンジンは力を有効に引き出すクローズドレシオ6速ミッションを採用。最高出力は30.5PS、最大トルクは2.82kg-mを発揮するが、速さを目指すよりも、大柄なボディ、余裕のあるシートなど、乗りやすさを優先したモデルだった。
1972年のモデルからフロントに油圧ディスクブレーキを搭載。エンジンには新しい冷却方式ラムエアシステムを採用。さらに見やすいメーター類、速度警告灯を装備するなど、機能性だけでなく安全性の向上も図られていた。その後、何度かモデルチェンジを行い、ラストモデルとなる1977年まで販売された。70年代のスズキの250ccを象徴するGT250。人気大爆発とはならなかったものの、スズキらしく、乗りやすさという点では非常に評価の高いモデルだった。
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