掲載日:2019年06月21日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
1970年代の終わりごろ日本メーカーから、プルバックハンドルに段付きシートの“アメリカンバイク”が発売されるようになった。いま見ると、それっぽい感じにしているけど、本場のアメリカンとは全然違う代物なのだが(笑)、それでもロードバイクとは違う魅力があったことは事実で、当時はかなり人気があった。
ヤマハはXS650Specialというアメリカンを発表、人気を博していた。その流れを汲んでspecialシリーズは750、400、250と拡張、ついに原付クラスのRX50 special(RX80もあった)が発売された。
エンジンは空冷2ストローク単気筒と、全くアメリカンの香りはしないのだが(笑)、それ以外の部分はかなり造り込まれていた。原付とは思えない大柄ボディ、大きく手前に引かれたプルバックハンドル、ティアドロップ型のガソリンタンク、段付きシート風のロングシート、ショートカットメガホンマフラーなど、かなり高級感があった。
そんな理由から、当時の原チャリライダーのハートばかりか、僕のハートまでも鷲掴み。僕が初めて買った1号バイクとなった。当時バイクの免許を持っていなかったこともあったが「アメリカンがカッコイイ」「大きなバイクに乗りたい」が理由だった。
7馬力/9000回転とロードバイク並みのパワーを誇っていたので、意外とスピードが出た記憶がある。RX50を買って1週間ギアチェンジの練習をしてから、初めてのロングツーリング、2週間かけて九州一周をした。その時、同じRX50に乗っている人と出会い、福岡や阿蘇など数日間一緒に走ったことをいまでも覚えている。
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