掲載日:2014年06月06日 フォトTOPICS
取材・写真・文/DirtRIDE 取材協力/レッドブルジャパン
どこよりも高く組み上げられたやぐらの上にジャッジは陣取り、ここからコース全体を見渡しながら各選手の採点を行う。
日本人のみの予選が終わると、次はいよいよ翌日の本戦組みを決める本予選が始まります。出走者は12人になり、海外のライダーも登場です。5人のジャッジによる審査で、上位7名はそのままクォーターファイナルへ進出できます。漏れてしまった5名は翌日の始めに行われるラウンド1で戦い、そこからは1人しか勝ち抜けません。ですから予選とはいえ、どのライダーも真剣に勝負に挑んできます。
この様子は通常、一般には公開されませんが、ここ大阪ラウンドは珍しくオープンとなり、会場には8,400人のファンが詰めかけました。ランは2本走り、良かったほうのポイントを採用します。これは大会終了後に聞いた話ですが、通常は観客席に誰もいないのに今回は多くのファンがいたため、ライダーの勢いもかなり上がったと言います。この2本のランを戦い抜き、トップで翌日に駒を進めたのは、前戦、メキシコで勝利したリーバイ・シャーウッド選手。それに続くかたちで、ダニー・トーレス、レミ・ビズアール選手。僅差でマット・レボー、ロブ・アデルバーグ選手となりました。ここ、大阪での奮闘が期待されたトム・パジェス選手は思ったよりスコアが伸びず、初日を6位で終えました。
また、金曜日のプラクティスで足を負傷した東野選手はこの予選を棄権。翌日のラウンド1にまわることになりました。日曜日の本戦はどのような戦いが繰り広げられるでしょうか?
01土曜日、いよいよ公式に観客の前に現れた海外のライダーを含む12人のライダーたち。鈴木、釘村、東野選手もこの中にいる。
02本予選はじめのランは、デビッド・リナルド選手(フランス)から。難易度の高いコルドバフリップを綺麗に決めてくる。
03観客にアピールする姿が予選から見られるのは、メディア側としてもとても珍しい。日本のファンは生のFMXに大興奮。
04続くランは、日本を代表する1人、鈴木 大助選手。自身のシグネチャーである『MATSURI』を綺麗に入れてきた。
05多くのファンに「どうだ!」とアピールする大助選手。日本に多くのファンを持つ一級のライダーだ。
06立ち見席にも感謝とアピールを忘れない。この姿勢が彼の人気の秘密だろう。
07続くは、日本人予選を見事勝ち抜いた釘村 孝太選手。綺麗なかたちでロックソリッドを決める。勢いはいい調子だ。
08右手を高く突き上げ観客にアピール。予選を勝ち抜いたからには、更に上のステップを目指したい心境だろう。
09ここからは海外ライダーたち。まずは、マット・レボー選手(スイス)が登場。息の長い選手で、クォーターパイプでフレアに挑戦する。
10フレアの途中で左足を大きく上げて開く複雑で高度なトリックを入れ、着地まで導くが、ステップにその左足が戻せなかった。
11と、一瞬でバランスを崩し大きく転倒。フレアはかなり高い位置からランディングするので、衝撃は大きいはず。
12やはり衝撃はかなりの様子で、自力で動くことができず、救護がすかさず駆け寄りケアを始める。
13しばらく動けず、担架も持ち込まれたが、なんとか自力で立ち上がったレボー選手。自分自身に「オレはまだ大丈夫」と言い聞かせているように見えた。
14トリックには失敗したが、大技に挑戦し、なお己で立ち上がる奮起に拍手と歓声で応える日本のファン。FMXライダーへの敬意があってのなせる行い。
15アメリカから参戦のウェス・エイジ選手。まだまだそれほど名は知れ渡っていないが、かなりの暴れん坊ぶりをこの日発揮。強烈なウィップ&ターンダウン。
16ハンドルを中心にバイクの上にほぼ寝そべるかたちになり、なおそれをバックフリップ中に行うという、とんでないトリックを披露。
17彼は、2日間を通じてとにかくラン後の客席へのアピールが強烈だった。日本で走れることが心底楽しいようだ。
18白黒を基調に水色の差し色がこの日印象的だった、レミ・ビズアール選手(フランス)。ワインで有名なボルドー出身という。
19バイクと身体が大きく離れ、しかも互いが水平になる大柄なトリック。ナインナックになるだろうか。
20気持ち良いランができたようで、清々しいラン後の挨拶が印象的。真っ白いヘルメットが謎だが……。この時点で、この日、1位に躍り出た。
211位ポイントが出た後のランは、リボー・ポドモル選手(チェコ)。ロックソリッドで大きく手を開き決まっている。
22フリップ中に足を前に大きく突き出すシャオリンも綺麗に決めてくる。
23ラン後、比較的静かだったポドモル選手。まだランプやコースに慣れないのだろうか。
24続くは、優勝経験もあるロブ・アデルバーグ選手(オーストラリア)。クリフハンガーをフリップ中に入れてくる大技を完璧にメイク。
25コルドバフリップも見事。さすが優勝経験者は、技の確実度が違う印象を受けた。
26しかし、納得のいくランができなかったのか、採点中は静かに待っていたアデルバーグ選手。点数は残念ながらやや振るわなかった。
27クォーターパイプを使った新技が噂されていたトム・パジェス選手(フランス)がいよいよラン。1本目は堅実にフレアで決めてきた。
28綺麗にクリフハンガーを決めてくる。この日のパジェス選手は、オリジナリティある技をほとんど見せなかったのが印象的。
29ランはやや地味目にまとめたが、日本での走りにやはり思いは特別なよう。ファンに強く自身をアピール。
30ヘルメット頭頂部に欠かれたEIGOを日本のファンに見えるよう、頭を下げる一幕も。日本ラウンドに掛ける思いは強いはず。
31陽気なライダー、No.1と言ってよいダニー・トーレス選手(スペイン)。地元での歓声も凄いが、日本でも着実にファンを増やしつつある。
32トーレス選手も次々と大技を披露。予選から勝ちに行く姿勢を崩さない。
33フレアではなかったが、クォーターパイプを使ったトリックも披露。彼も日々、進化している。
34クォーターパイプシークエンス。
35クォーターパイプシークエンス。
36会心のランができたようで、ラン終了後は大きく身体を観客に下げ、バイクのアクセルを開け、喜びを表現してくれた。
371本目最後のランは、リーバイ・シャーウッド(ニュージーランド)。今年はノレていると噂だが、ここ大阪でも完璧なランを見せてくれた。
38シャーウッドのこのトリックが凄いのが、両手でリアフェンダーを掴むほど反っているということ。しかも上からみると、この瞬間、目を閉じていたらしい。
39終始安定したランを見せ、1本目を終えたシャーウッド選手。採点はやや振るわず、3位でまず終える。
40この日、意外な観戦スポットになったのが大阪城天守閣。結構なお客さんが集まっている。
41さあ、2本目のランが始まった。デビッド・リナルド選手の最終ポイントは78.40。
42鈴木 大助選手は観客に強くアピール。最終ポイントは76.50。
432本目は特に気持ちの良いランができたようで、テーブル上で豪快なアクセルターンを披露。
44そして、決めポーズ。「出しきった!」という声が伝わってきそうだ。
45釘村 孝太選手も気合の入ったトリックを披露。最終ポイントは77.20。
46マット・レボー選手は、なんと2本目もクォーターパイプでのフレアに挑戦。強く転倒しているだけに恐怖心は大きいだろうに、すさまじい気力。
47ランディングで両足がステップから離れてしまったが、なんとか転倒はこらえた。
48テーブル上で「どうだ!」というこのポーズ。果敢なトライがジャッジに評価され、最終ポイントは80.00と高得点。
49ウェス・エイジ選手も2本目にトライ。最終ポイントは78.70。
50レミ・ビズアール選手は2本目もノレていた。最終ポイントで80.90と高い数値を出す。
51リボー・ポドモル選手はミスなくまとめているように見えたが、それが災いしてかポイントは伸び悩み76.00。
52ロブ・アデルバーグ選手が身体を完全にバイクのサイドに出す大技をメイク。
53さらに驚くのが、そのまま片足ステップでランディングしたことだ。最終ポイントは79.50。
54この日のトム・パジェス選手は、自身の特徴である独創的なトリックがとにかく見られず、最終ポイントは79.30に留まった。
55ただ、故佐藤 英吾選手のシグネチャーであったパフォーマンスを披露。日本への思いは特別。
56相撲のアクションに日本人ファンは大興奮。ありがとう、と言いたい。英吾選手も降りてきていたと思う。
57そろそろ勝ちが欲しいダニー・トーレス選手だが、ジャッジの採点は渋い。最終ポイントは1本目が採用で81.70。
58リーバイ・シャーウッド選手は、2本目のランで日本のファンに強くアピールする姿勢にスイッチ。83.20の最高得点を叩きだした。
59予選最終結果。6位までの選手と7位のウェス・エイジ選手が翌日のクォーターファイナルに進出。残り5名でラウンド1が行われることとなった。
愛車を売却して乗換しませんか?
2つの売却方法から選択可能!