掲載日:2009年12月22日 フォトTOPICS
撮影/Satoshi MAYUMI、バイクブロス・マガジンズ編集部 取材・文/バイクブロス×マガジンズ編集部 ナベ
人工物に囲まれていてもサマになる990 ADVENTURE R。シャープで人目を惹くデザインはKTMに共通した美点だ。
シート高915ミリ、燃料を含まない半乾燥状態の車体重量207キログラム。KTMの巨艦、990 ADVENTURE Rのこの数値を見ただけでも尻込みしてしまうライダーも多いのではないだろうか。スタンダードの990 ADVENTUREでさえ十分に「大きい…」と感じてしまうのに、さらに55ミリも高い着座位置が与えられているのには、もちろんそれなりの理由がある。Rよりも幾分短い足回りと解除機能付きABSを備えたスタンダードは、KTMラインナップの中では比較的ツアラー寄りのキャラクターだが、990 ADVENTURE Rはオフロード走行に余裕をもって対応する足回りを装備したうえでABSを廃し、2キログラムほど軽量化したモデルとなっている。つまり、スタンダードがKTMの考える理想的なツアラーであるとするならば、990 ADVENTURE Rはラフロードを走る楽しみをよりピュアに追求した理想のビッグオフローダーとすることができる。シート高の差である55ミリという数値は、Rが延長した前後足回りのストローク量そのものであり、ビギナーや小柄なライダーから拒絶されてでも得たかった性能そのものだと言える。果たして、55ミリの数値はスタンダードの走りをどのように変化させたのか、じっくりと味わってみたい。
01縦長のライトケースは近年のKTMに共通した意匠だが、このRは2灯式となっており夜間走行に対応した実用装備となっている。
02縦長のウィンドスクリーンは快適そうに見えるが、ライダーとの距離が離れているためにそれほどウィンドプロテクション性能に優れるわけではない。
03115ps(84.5kW)/8750rpmの最高出力と100Nm/6750rpmの最大トルクを発揮するLC8 Vツインエンジン。軽く回り、クランクマスを感じさせない。
04KTMらしいシンプルなメーターまわり。12ボルト電源を取り出すソケットやハザードスイッチが設けられているあたりにツアラーらしさが残る。
052つに分離された燃料タンク。20リットル近い容量を満タンにしても内部のガソリンが暴れることがない。給油口の間にはヒューズボックス/小物入れがある。
0655ミリもストローク量をアップさせた前脚。ブレーキはブレンボ製キャリパーとディスクをダブルで装備。コントロール性に優れ、オフでも使い易い。
07長いスイングアームと本格的なオフロード用スポークホイールがKTMの血筋を主張している。21インチのフロントと相まって走破性は抜群。
08KTMの特長であるWP製の足回り。もちろん前後フルアジャスタブルで、リア側のプリロード調整ノブは手前に引き出すことができる格納式。
09左右に振り分けられた大容量のステンレス製サイレンサー。心地よく、そして勇ましい排気音を奏でるとともに、堅牢性に優れる。
10シート下には、20点以上のアイテム数を誇る超豪華な車載工具を装備。大胆に簡略化するメーカーが多いなか、非常に好ましく良心的。クォリティも高い。
11足つきの問題さえ克服できるのであれば、55ミリ延長された足回りの威力は圧倒的。注意しなくてはならないのはエンストだけ。怖がらず開けていくのが得策。
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