掲載日:2018年10月31日 試乗インプレ・レビュー
取材・文・写真/田宮 徹
シンプルな構成で低回転域トルクに優れる249cc空冷単気筒エンジンを、鋼管製フレームに搭載。圧縮比は9.5から9.7にアップした。エンジンアンダーガードや余計なカウル類などは、周辺に一切装備していない。
今回の改良時に、シリンダーの上部にあった排気バルブに空気を送り込むエアインダクションシステムは取り外され、蒸発ガソリンの外気排出を低減するキャニスター(ガードが付いたボックス状の黒いパーツ)が追加された。
一般的なオフ車のフルサイズとなる21インチとオンロードモデルで多用される17インチの中間となる、19インチ径のフロントホイールを採用する。フロントブレーキは、2ポットキャリパーで220mm径のシングルディスク式。
リアホイールは16インチ径。ブリヂストン製のブロックパターンタイヤ(フロントがトライアルウイングTW-201でリアがTW-202)を履く。兄弟車のセロー250はリアチューブレスだが、トリッカーは前後チューブ仕様だ。
メーターは、これ以上ないほどシンプル。アナログ表示のオド・トリップメーターが埋め込まれた140km/hスケールの指針式速度計と、3個のインジケーターが組み合わされている。車体軽量化と価格低減につながる構成だ。
両サイドに樹脂製カバーを備えた燃料タンクは、容量が従来型の7.2Lから7.0Lに少しダウン。ただし、60km/hの舗装平坦路燃費は39.0km/Lから45.2km/Lに大幅向上されているので、航続距離はかなり向上している。
フラットでスリムなシートには、2種類の表皮やパイピングが使われ、質感が高められている。シート高は、セロー250より20mm低い810mmの設定。2008年型での改良時に、初代と比べてクッション厚が増された。
シートの左側後方下部には、ロック付きのヘルメットホルダーを標準装備する。シート後方には、シンプルなパイプ製グラブバーも採用。タンデム走行時の安心感を高め、荷物積載時にも便利に活用することができる。
積極的にタンデム走行で使うような機種ではないこともあり、タンデムステップおよびそのホルダーは、極めてシンプルな設計。車体の軽量化にも貢献し、荷物積載用のコードやフックを掛けやすい設計となっている。
セロー250と同様に、ライダー用のステップやリアブレーキペダルおよびシフトチェンジペダルは、オフロードでの使用を前提とした設計。ステップラバーは標準装備されておらず、チェンジペダルの先端は可倒式だ。
100mm径の非常にコンパクトなヘッドライトは、60/55Wハロゲンランプの丸型。ウインカーなどの灯火類にLEDは使われておらず、クラシックにまとめられている。ハンドルバーは、フラットでやや幅広なバータイプ。
アップタイプのマフラーが、アクティブなイメージを高めるリアまわり。テールランプも非常にコンパクトで、スリムなリアビューをつくる。セロー250は2018年の刷新時にリアまわりに変更を受けたが、トリッカーは従来型を踏襲。
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