ホンダ CRF250L
ホンダ CRF250L

ホンダ CRF250L – オールマイティに使える、ザ・トレールバイクという乗り味

掲載日:2015年12月22日 試乗インプレ・レビュー    

テストライド/小林直樹  写真/長谷川徹 まとめ/小川浩康
※この記事はオフロード雑誌『GARRRR』の人気企画『小林直樹のオフロードバイク・テイスティング』を再編集したものです
※記事の内容は雑誌掲載当時のものです(GARRRR vol.322 2013年1月発売

HONDA CRF250L DATA FILE

ホンダ CRF250Lとは

ホンダオフロードの代名詞として長年にわたり君臨してきたXRシリーズだが、フルサイズトレールXR250は2007年にカタログ落ちとなり、その後継車種は登場しなかった。そして5年後の2012年、CRF250Lがついに登場。すでにレーサーとして登場していたCRFシリーズが、ホンダオフロードの新たな代名詞となった。そのCRF250Lは、オンロードスポーツCBR250Rと同時開発され、水冷4ストロークDOHC4バルブエンジンを共用している。しかし、エアクリーナーボックス形状、フューエルインジェクション設定をオフロード用にセッティングすることで、低中速での扱いやすさを向上している。フレームもオン・オフモデルとして、さまざまな路面で確実なハンドリングと乗り心地を両立するように剛性バランスを最適化した専用設計。デジタルメーター、アンダーガードなどの装備を充実させつつ、前後サスペンションの調整機能を省くなどしてコスト削減も実現。さらに、タイで生産することで車体価格を45万円以下に抑えている。CRF250Lはグローバルモデルとして世界各国でも販売。各国の法規に合わせた小変更はあるが、基本的に同一スペックで販売されているのも特徴になっている。

足着き性

身長170cm、体重70kgのおれがまたがると、片足のつま先が着く。250トレールクラスとしては軽量な部類の車重ではないけれど、片足を着いた時に重さを感じることはなかった。ハンドルが高く、ステップが低いライディングポジションはヒザに窮屈さがなく、スタンディングもシッティングも楽に決まる。ふところは広すぎず狭すぎないちょうどいい感じで、ボディアクションもしやすい。ただ、キャタライザーを装備したサイレンサーは大きく、車体横方向への張り出しも大きい。腰を引いた時にサイドカバーと体が干渉することがあり、それがボディアクションのしにくさになってしまう。が、一般ライダーでここまで体を使う人はそれほどいないだろう。ラジエターシュラウドの張り出しは気にならない。

IMPRESSIVE POINT

クラッチ操作の軽さは、全オフロードモデル中で随一。操作しやすいだけでなく、タッチも良好。マシンを軽く感じさせてくれるので、長時間乗った時の疲労度もかなり低減してくれる。ステップは、愛車XR230と比較すると、前後左右全ての方向でワイドになっている。泥もつまりにくい形状で、ステップバランスは非常にやりやすい。ラバーは装着されていないが、足裏に振動が伝わってくることもなかった。それと足着きの項でも述べたけれど、サイレンサーの張り出しが気になってしまった。アクションライディング時にリヤ回りの重さも感じてしまう。

CRF250Lは こう味わえ!

高速移動の楽さはビッグオフにかなわないけれど、市街地やダートでの押し引きはCRF250Lの方が圧倒的に楽。さらに、ワインディングも楽しめるし、林道はもちろん獣道にも入っていける。

何かに突出した性能はないけれど、行動範囲を限定するような致命的な特性もない。オンもオフもそつなくこなせる汎用性の高さ=オールマイティさが大きな特徴になっている。しかもそれが45万円以下という低価格で手に入れられる。コストパフォーマンスのよさは、CRF250Lの無視できない魅力になっている。誰が乗っても速いというバイクではないけれど、きちんとしたテクニックを使えば速く走らせることもできる。スペック表で判断できないポテンシャルを持ったバイクだよ。

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