ハスクバーナ 2014年モトクロスモデル
ハスクバーナ 2014年モトクロスモデル

ハスクバーナ 2014年モトクロスモデル

掲載日:2013年12月13日 試乗インプレ・レビュー    

取材・写真・文/三上 勝久  写真・取材協力/HUSQVARNA

ハスクバーナ 2014年モトクロスモデルの試乗インプレッション

ハスクバーナ 2014年モトクロスモデルの画像

2ストローク3機種
4ストローク3機種のラインアップ

2014モデルとして発表されたラインアップは、エンデューロとモトクロス。エンデューロマシンは2014フサベルがベース、モトクロッサーは(フサベルにはモトクロッサーのラインナップがなかったため)2014KTMがベースとなっている。しかし、カラーや外装だけ変えたマシン、というわけではない。

今回紹介するモトクロッサーのラインアップは、2ストロークエンジン搭載のTC85、TC125、TC250。4ストロークエンジンになるFC250、FC350、FC450の6モデル。ハスクバーナは1950~90年代の長きにわたり、世界選手権で数多の栄光を獲得してきたメーカーである事から、今回の発表会では『パイオニア・オブ・モトクロス』のモットーを掲げ、モトクロスに再び強く挑んでいく姿勢を明らかにしていた。KTMとの違いはフレームだ。クロモリ製のメインフレームはほぼ共通だが、サブフレームに樹脂製を採用する(TC85を除く)。エンジン、サスペンションはKTMと共通だが、KTMではオプションのPOWERPARTSとなるマッピング切替スイッチを4ストロークエンジン搭載モデル全車に標準採用しているのが特徴だ。サスペンションは、フロントがWP製のクローズドカートリッジタイプ。リアもWP製のリンク式(TC85を除く)。2ストロークエンジンモデルの始動はキックだが、4ストロークエンジン搭載モデルは全てセル始動オンリーとなっている。

ハスクバーナ 2014年モトクロスモデルの画像

試乗したコースは、世界選手権も開催されるスウェーデン、ウッディバラのモトクロスコース。アップダウンの大きな斜面に、巨大なジャンプがいくつも設置された高速コースだ。しかし、試乗当日は生憎の雨で、マディとなったコースでの試乗となった。時間の都合で、今回試乗できたモデルはTC125、FC250、FC350の3モデル。

まずはTC125。2ストローク125ccエンジンを搭載するマシンで、とにかく軽い。ハスクバーナとしてはモトクロスへのエントリー向けとして位置付けているバイクだ。2ストロークエンジンは4ストロークエンジンに比べてメンテナンスが簡単であり、しかも軽くパワフルという事で世の中が4ストローク一辺倒になっている今でもヨーロッパで人気の高いクラスである。125とは言え、パワーは強烈だ。極低もあるほうだが、中回転域から吹け切るまでのパワーは体が置いて行かれるほど強烈なもの。パワーカーブはフラットに近くピーキーではないが、上でのパワーがかなり強烈なのだ。車体が軽いので、今回のようなマディのコースで大きく振られても収束させるのは実にラクなマシンである。

ハスクバーナ 2014年モトクロスモデルの画像

しかし、これからモトクロスを始めたい……、というライダーにぜひお薦めしたいのがFC250だ。4ストロークDOHCエンジンを搭載するこのマシンは、2ストロークエンジン搭載モデルに比べれば重さを感じるものの、その代わりに優れたトラクションコントロール性と優しさを持っている。もちろん上もあるのだが(編注:エンジンの高回転側もパワーがある)、ゆっくりと流していてもストレスなく走れてしまう扱いやすいエンジン特性が魅力だ。その250をベースに、さらに頼もしいパワーとピックアップを手に入れているのがFC350だ。250の軽さのまま100ccプラスのパワーを手に入れたエンジンは、特にジャンプの踏みきりや上りにそのトルクとパワーが生きてくる。レースではもちろん、ジャンプなどをメインに楽しむファンライディングも楽しいマシンだ。

ハスクバーナ 2014年モトクロスモデルの画像

レースはもちろん
ファンライディングも楽しい!

国産モトクロッサーのフルサイズは現在すべてアルミフレームを搭載するが、対してハスクバーナはクロモリ(スチール)+樹脂サブフレームという構成だ。しかし、剛性不足といった印象はまったくない。それどころか、マディのコーナーでワダチを横切って走って行ってもハンドルをとられる事がないほど、コントローラブルな乗り味を実現している。これはエンデューロでも経験の長いKTMの技術が盛り込まれているからだろう。手にタイヤのグリップ状況がリアルタイムに伝わるような、エンジンのトラクション感覚についても同様の事が言える。

ハスクバーナ 2014年モトクロスモデルの画像

細部のクォリティ、機能性が高いのもイイ。転倒してもすぐエンジンをかけられるセルスターター(4ストロークモデル)、軽く操作性のいい油圧クラッチ、スイッチですぐに特性をマディとフルパワーで切り替えられるマッピング変更スイッチ、半回転させるだけで開閉できる燃料タンクキャップ、工具不要で交換可能なエアフィルター……、細部までユーザーフレンドリーである事が感じられる。価格はまだ発表されていないが、国産モトクロッサーに比べれば高価となるだろう。しかし、栄光のハスクバーナブランド、そしてこの楽しさと機能性への対価と思えば決して高い買い物にはならないはずだ。レースで頂点を極めたいと思うライダーだけでなく、日曜日にスポーツとしてモトクロス、オフロードライディングを楽しみたいライダーにも自信をもってお薦めできるマシンだ。

なお、新生ハスクバーナは日本での取扱い会社が変わった。これからは以下が新しい問い合わせ先となる。

ハスクバーナ モーターサイクル ジャパン
TEL/03-6380-7020

ハスクバーナ 2014年モトクロスモデルの詳細写真は次ページにて

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